内容説明
在宅医療の医師・藤原真紀の前に、元恋人の倉橋克秀が七年ぶりに現われた。ピアニストとして海外留学するため姿を消した彼がなぜ?真紀には婚約者がいたが、かつて心の傷を唯ひとり共有できた克秀の出現に、心を惑わせる。やがて、克秀は余命三ヶ月の末期癌であることが発覚。悪化する病状に、真紀は彼の部屋を訪れた…。すばる文学賞作家が描く、感動の恋愛長編。
著者等紹介
安達千夏[アダチチカ]
山形県生まれ。1998年、「あなたがほしい」ですばる文学賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろちゃん
84
死について考えさせられる恋愛小説で、かなり読みやすい小説だった。人生の終わりに自分がどのように過ごすかすごい考えさせられた。姉にも死なれるし、大切な人も去るし、主人公がすごい可哀想すぎる。2016/04/17
おかむー
67
あらすじには「感動の恋愛長編!」と「!」までつけてあるけど、個人的にはまるで恋愛とは受け取れないなぁ。『もっとがんばりましょう』。意地悪にこの物語を要約すると「母は自殺、姉は父のDVで殺された主人公の女医が、死への羨望を日常に紛れさせ結婚もひかえていたところへ、7年前に彼女を置いて消えた傲慢で尊大で我が儘な元恋人が脳腫瘍で死を間近にした姿で現れる。尊大さとは裏腹に見え透いた態度ですがりつく元恋人に絡め取られ、日常から逸脱してゆくワタシうっとり」苦悩というよりインモラルに酔っている感満載(笑)2014/08/28
choco
58
なんだろう。このすっきりしない余韻。人は産まれてくる時も死ぬ時も時期を選べない。残された時間すらわからない。安楽死。私は賛成派。ヒデのつらさが胸に残る。2017/01/13
はつばあば
57
スイスでは自殺幇助とセデーションと云われる終末期鎮静(いわゆる安楽死)が合法化されているのに、日本では年寄が多いとか、老人の医療費や介護に金が掛かりすぎると云いながら安楽死を認めない。そして再生医療の開発に勤しむ。、痛みでもだえるのも、取り残された死もイヤだ。母の自死、父に姉を殺された女医の元に、7年前何も言わずに去った男が末期癌の姿で現れた。この男は昔の彼女に甘えたかったのか、覚えていてくれと願ったのか。女医は昔のこの男が忘れられなかった・・というにはラストがさばさばしている。2016/04/30
ちょこまーぶる
57
終末期を迎えているヒデの言動には共感できなかったし、最後まで淡々と読み進めてしまい、もう少しオランダでのくだりを展開してもよかったかなと思ってしまった。全体的に感情移入ができなかった一冊となってしまった。2012/07/15
-
- 和書
- 新・金融商品取引法読本