内容説明
怖い夢を見たら、心の中で「ばく食え…」と唱えてください。男が抱えた箱の中には、人々の野望・野心といった感情を食う貘がいて…(「ばく食え」)。亡き父親の夢には悪臭が伴う。なのに、なぜか萩島は幸福な気持ちになる。匂いに秘められた驚愕の事実とは!(「匂いの記憶」)―現代の絵師が夢幻の世界を単精な筆致で描くオリジナル・コミック。
著者等紹介
吉田光彦[ヨシダミツヒコ]
1946年盛岡市生まれ。多摩美大卒業後、イラストレーターに。75年「月刊漫画ガロ」にて漫画家デビュー、その繊細な筆致から紡ぎ出される独自の世界観に、熱心なファンも多い。デザイナー・舞台美術等の他、高橋克彦作品の定番イラストレーターとしてもおなじみ
高橋克彦[タカハシカツヒコ]
1947年盛岡市生まれ。早稲田大卒業後、83年江戸川乱歩賞作品『写楽殺人事件』でデビュー。91年直木賞、2000年吉川英治文学賞など各賞を総なめに。美術・歴史・超常現象に至るまでの該博な知識を駆使して多彩な作風で活躍
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GOKU
2
再々読?イラストレーターを本業とする吉田光彦の描線は白磁に描いたような艶めかしさがある。「鏡台」の鏡の中に見えるクモ女の反吐が出るような気色悪さは高橋克彦の原作では表せていない妖しい美しさを見せている。「ばく食え」の少し頭の弱い青年の表情、そして伊達正宗に豹変する表情、そして最終ページのなんでもない夜の線路を描いたコマには底が見えない怖さがある。このマンガ(というより絵)に惹きつけられるのは、「鏡台」の主人公のように、怖いけど見ずにはいられない心理が働くからだろう。2013/07/31
じょみ
1
寝る前に読まない方が‥
三月★うさぎ
1
最高に気持ち悪い。
螢
0
私はそれほどまでに気持ち悪いとは思いませんでした。表題作もいいけど「匂いの記憶」が好きかなあ。知ってるような風景や地名が出てくるから。2010/08/30
ざらめ
0
舞台が東北だったのでいいかんじに親近感(?)がわいて不気味さが増してよかったです。東北在住なので。「おそれ」と「匂いの記憶」がよかった。こういう心霊ではない怖さ、好き。2022/07/02