内容説明
「魔羅賀平助、ご助勢仕る」緋色毛の愛馬を駆って颯爽と戦場に進み出る巨躯の若武者。人呼んで“陣借り平助”。四尺の長刀を腰に佩く並はずれた勇者であった。必ず劣勢の陣に加勢する平助は今、無謀にも今川義元の最強兵団に立ち向かう織田信長に陣を借りていた…。将軍義輝をして「百万石に値する」と言わしめた平助の戦ぶりを清冽に描く、一大戦国ロマン。
著者等紹介
宮本昌孝[ミヤモトマサタカ]
1955年、静岡県浜松市生まれ。日大芸術学部卒業後、手塚プロ勤務を経て執筆活動に。95年『剣豪将軍義輝』で一躍脚光を浴び、歴史時代作家の新旗手として斯界をリードする
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感想・レビュー
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タツ フカガワ
17
先に2作目を読んでいたこれがシリーズ1作目。常に劣勢側に陣借りする魔羅賀平助が臨むのは織田/今川の桶狭間、浅井/六角の野良田合戦、武田/上杉の川中島など。歴史の既成事実のなかで自由奔放に動き回る平助が痛快です。ちなみに両親は日本人の母とポルトガル人の父で、眠狂四郎(ⓒ柴田錬三郎)と同じようだけどキャラクターは対照的です。2020/08/09
onasu
13
些か今風ではないけど、解説子の「勢いのある小説」というのはいいですね。加えて言うなら、弱い方に陣借りして、報償を求めない、ついでに女に弱いと。 渡り歩く先は桶狭間での信長の陣を始めとして、浅井と六角の争いでは、将器を期待される長政と比較される父久政を踊らせ、川中島では山本勘助の陣であえなく勘助を亡くしてしまうが後段も…、と陣借り先ではドラマが絶えない。 2巻目から読んだので、平助&丹楓(人馬共に巨軀)のルーツをスルーしていたが、終編で堺に戻り、それが明かされていたのも順当。楽しい読みものでした。2022/02/01
rakim
7
痛快、明快だけれどきちんとしたディテールがあるので文句なく楽しめました。続編があっても良いな・・と。宮本さんの時代物は 硬柔とりまぜてどちらも面白いです。2011/04/14
アイゼナハ@灯れ松明の火
6
時は戦国。常に寡兵の側に陣を借り奮闘する快男児の活躍を描いた連作短編集。たまにこういう単純明快にスカッとさせてくれる本を読みたくなります。2010/03/07
水面頼光
5
魅力いっぱいの主人公。長編でも読んでみたい。宮本時代劇の準レギュラー風魔小太郎が珍しく悪役で登場するのが面白かった。2014/01/30