出版社内容情報
強い男ほど優しくなれる
自らを危険な凶器と自覚する男の美学!
学者を目指し米国に渡った三上彰一(みかみしょういち)は、図らずも空手家として一家をなした。愚図で法螺吹きな父からは、唯一空手だけを受け継いだのだった。父が死に、二十年ぶりに訪れた故郷の町には、昏(くら)く澱んだ記憶しかなかった。そんな町に蠢く悪たちの目に余る無法に、ついに不敗神話の拳を固める! 静かなる男の悪への怒りを端正な筆致で描く、芳醇(ほうじゅん)な新ハードボイルド!
【著者紹介】
1929年、東京生まれ。慶応義塾大学卒業後、東宝に勤務。東宝映画取締役を経て、(株)クンを設立。'75年『愛と憎しみの宴』で文壇デビュー。以後、アクション小説、ハードボイルド、恋愛小説と多彩なジャンルで活躍している。本書は、アメリカで空手家として大成した男の、弱き者への優しさに満ちた傑作ハードボイルドである。著書にベストセラー『闇の警視(全五巻)』(祥伝社文庫)など。