内容説明
〈真昼の陽射しの下でシェリーを飲もうという彼女の提案に、私はわくわくするほど心動かされた。グラスを掲げて彼女は言った。「あなたの恋に乾杯」私は少し戸惑ったが、彼女に尋ねた。「なぜ私の恋に乾杯したのですか」彼女はにっこりと言った。「あなたならとても素敵な恋をしているにちがいないと思ったのよ」私は少し曖昧な笑みを浮かべた…〉燃える恋の渦中にいながらも、不安に慄く繊細な女性の心を、瑞々しい筆致で描く書下しろ恋愛小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青豆
7
男性の夢に付き合ったり、自分を託すのでなく、自分自身の仕事や恋愛に夢を持つ女性たちを描いた短編集。洗練されたセンスを持ち、仕事ができる恋多き女性は確かに素敵だと思うが、同じ様な女性を描いたの森瑤子さんの作品と比べると本作の登場人物は色褪せて見える。バブルの香りが漂う恋愛小説。2014/06/24
