内容説明
姉・大君を喪った中君は心を砕くような悲しみの中にいる。薫もまた大君の他界後、涙に暮れて過ごしている。そんななか、匂宮は、中君を京の二条院に迎え入れることを決めるのだった。薫二十五歳から二十六歳まで。早蕨、宿木、東屋を収録。
目次
早蕨
宿木
東屋
著者等紹介
林望[ハヤシノゾム]
1949年東京生。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程単位取得満期退学(国文学専攻)。ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年に日本エッセイスト・クラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P.コーニッキと共著、ケンブリッジ大学出版)で92年に国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で93年に講談社エッセイ賞、『謹訳 源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年に毎日出版文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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きゃれら
19
匂宮と薫の恋の争いというか鞘当てというか、ヘンタイ合戦というか。二人して結局は自分のことしか考えないわけで、君のためだ的なセリフは口にするものの内実は全く伴っていない。そう言いながら、浮世の定めとして仕方ないんだろうけど、えらい人の婿になってしまう。ひたすら酷い。その二人に恋されてしまった浮舟の運命やいかに。2024/05/02
てらこ
17
早蕨から東屋まで。前巻の橋姫から始まる「宇治十帖」は、薫と匂宮、八の宮の娘たちをめぐる物語で、それぞれの登場人物の微妙で複雑な心情が描かれているのが面白い。 とくに八の宮の娘たちの生き方は、最後まで断固として貞潔さを貫く姉・大君、結果的に匂宮の妻になる妹・中君、そして2人の男性の間で揺れる庶子・浮舟、、と三者三様。この時代の女性の幸せって何だったんだろうと考えてしまいます。2020/02/15
たかしくん。
15
前巻から主役が変わりましたが、相変わらず平安貴族の色恋物語であることには変わりありません。ご懐妊の中君だが、匂宮と決して仲が良いとも言えず、それを心配しながら顔を出し結局は彼女にお手付きをする薫(笑)。その薫も二の宮を正室に迎えながら、亡き大君に未練が残る、といった優柔不断そのままのストーリー展開の中、彼女らの異父姉妹こと浮舟が登場。いよいよこれが最後のヒロインになりそうですね!2023/09/30
おとん707
11
前巻で匂宮と中君が結ばれ平穏な日々を期待したがなかなかそうはいかないようだ。一方の薫は亡き大君が忘れられない。そんなところに大君、中君の異母妹の存在が明らかになる。しかも大君に瓜二つとか。中君は薫の相手にと気を回すが元来真面目でその方面には不器用な薫の心は定まらない。そうこうしているうちに匂宮がこの異母妹に手を付けようとする。中君が薫に比して匂宮を評する「こなたの宮は、まことにあちらのほうがだらしないお方」という言葉に笑ってしまった。それにしても薫はもう少し積極的になれないものかな。読んでいてじれったい。2023/01/14
LUNE MER
9
いよいよ最後のヒロイン浮舟も登場。光源氏亡き後の薫・匂宮の時代。源氏物語は源氏物語なんだけど、第4期ディープパープルを聴いた時の印象に近いものを感じるんだよねぇ、源氏物語第三部。六の宮や二の宮など、咬ませ犬のような、心境すらろくに描かれない女性も多いが、2020/03/15




