出版社内容情報
林望[ハヤシノゾム]
著・文・その他
内容説明
夕顔の忘れ形見・玉鬘は、親ぶったことを言いながら秘かに言い寄ってくる源氏の行状に悩む。男たちからの求婚が続くが、意外にも、玉鬘は髭黒の大将の手に落ちる。明石の姫君の入内、源氏の長男・夕霧と雲居の雁との結婚。准太上天皇に上った源氏、三十六歳から三十九歳までを描く。二〇一三年毎日出版文化賞特別賞受賞作品。
著者等紹介
林望[ハヤシノゾム]
1949年東京生。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程単位取得満期退学(国文学専攻)。ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年に日本エッセイスト・クラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P.コーニッキと共著、ケンブリッジ大学出版)で92年に国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で93年に講談社エッセイ賞、『謹訳 源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年に毎日出版文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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SOHSA
28
《購入本》源氏36歳から39歳まで。物語の中心は玉鬘、登場から意に沿わない髭黒との結婚まで。また雲居の雁もついに宰相の中将(夕霧)と結婚へ。望まない結婚と望んでも容易に叶えられない結婚は平安時代であれ現代であれ人の心を悩ませる。源氏自身もまた熟年期に入り、自らの人生の行く末を考える季節となる。平安の世の貴族の栄華はそうであるからこそ時の移ろいが儚くもほんのりと哀しい。読み手もその行く末に心ひかれる。林望先生の源氏物語は大胆かつ繊細で現代の私たち読み手にも源氏物語の世界をリアリティをもって見せてくれる。2023/02/27
てらこ
20
2020年読み始めも源氏物語から。 蛍から藤裏葉まで。前巻に続き、玉鬘って男運ないよな…と思ってしまう。玉鬘にぞっこんな髭黒の大将ですが、その北の方が心変わりした夫に灰をぶっかけるエピソードが印象に残った。短いのになぜかインパクト大。一方、源氏の息子は一途な恋が成就して、素直におめでとー!と言いたくなりました。 この巻の源氏は比較的おとなしく、全体的に平和でしたが、次巻ではまた紫上が苦悩するようで波乱の予感。2020/01/09
たかしくん。
18
途中のブランクを経て、読了。玉鬘が、源氏やら髭黒やらにちょっかいを出されるところから始まり、結局のところ髭黒に落とされてしまう部分が、なんとも可愛いのやら可哀そうやらで。その一方で、中将こと夕霧と雲居の雁の仲が漸く認められて、めでたしめでたし(笑)。源氏と紫上が、薫物合わせでなにやら競い合ってい遣り取り(p341)が微笑ましくもどこか知性が感じられて。この物語の一つのピークのようですね。途中、日本紀からの引用が所々に顔を出し、当時から日本史のメルクマールだったんだなあ、と改めて感じるところです。2023/06/04
おとん707
13
蛍から藤裏葉までを収録。藤裏葉は全54帖の33番目にあたり、全体を2部構成と見ると前半の終わりということになるらしい。源氏36歳から39歳。さすがこの年齢となると浮ついたことも控えそうだがそうでもない。幼い時に親元を離れた内大臣と故夕顔との娘玉鬘を自分の娘と偽り六条院に住まわせ執拗に関係を迫るが拒絶される。そんな源氏が内大臣の人柄を批評する場があるが、私が内大臣なら源氏にだけは言われたくない。六条院の広大な屋敷の四季の描写が美しい。六条院を京都のどこかに再現したら素晴らしいとも思うが俗に過ぎるだろうか?2022/11/29
LUNE MER
11
第一部完。源氏が栄華を極める藤裏葉で物語が完結していたとしても違和感のないところ。執筆当初から計画していたのか?それとも周囲に推される形で執筆を続けたのか?いずれにせよ、第二部以降がなければここまで不朽の名作となっただろうか。源氏物語未経験者に伝えるべきは、とにかく最後まで一回読んでみて!ということ。初めて読んだときは随分難儀した源氏物語だが、今年頭の田辺源氏(源氏2周目)に続きもう3周目も折り返し地点。2周目からが益々面白いぞ源氏物語。2020/02/14




