内容説明
日本がバブル景気に沸いていた1990年1月31日、新聞が伝える「事件」に国民は仰天した。昭和天皇在位60年を記念した10万円金貨(通称『ヒロヒト金貨』)の「偽造品」がスイスから日本国内に大量流入、と警視庁が発表。その総額は100億円を超えていた。この事件では日本人コイン商が取調べを受け、渦中の人となったが、作家の「私」は疑問を持つ。そして事件の背景に、日米欧、中東、中米を股にかけた巨大な陰謀が浮上する―
著者等紹介
加治将一[カジマサカズ]
1948年、札幌市生まれ。米国でのビジネスを経て、帰国後執筆活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
25
★★★現代史というのは、若かりし日に見聞きしている、ある意味リアルでタイムリーな記憶があるが故に、客観性を欠く面がある。今回は天皇在位六十周年記念金貨の偽造事件の解明していくのだが、結局のところ、大抵の場合 「ある」パワーバランスに行き着くところが在り来りすぎてマンネリ感ありあり。この「ある」は、ネタバレになるので、気になる方は読んでみてください。少なくとも、プラザ合意から、ロンヤス会談、中東戦争、イ・イ戦争、湾岸戦争までの経緯がわかりやすく語られている。2018/05/08
konomichi
2
在位60年記念の10万円金貨を巡る陰謀論を追いかける話。この人の話はいつもホントとウソの境目が分からなくて面白い。その辺を気にしない人なら楽しめるかと。「龍馬はフリーメイソンの手下」本から読む、よろし。2017/09/18
ぶらしゅうへい
1
オリンピックやワクチンと照らし合わせて読んだ。生きていくための指南書2021/05/11
ふたば
1
自分が地方の田舎町でのんびり暮らしていた時代の事件。正直こんなことあっただろうか?と首をひねってしまった。この事件、確かにあまり詳細に記録をたどれない。うやむやにされたといえばそうかもしれない。こういう場合に陰謀説は唱えやすい。国家間で駆け引きが何かしらあったんだろうなと思う。しかし、ちょっと憶測が多すぎて、私見により過ぎていて手放しでうなづけない。もう少し信頼性の高い根拠を示してほしかった。でも、ここまで言わせてしまう日米の政治家の力関係とか、隠蔽体質とか、どうしてもっと風通し良くならないかな。2017/08/12