内容説明
不肖・宮嶋にしか書けない「自衛隊イラク派遣」の真実。
目次
ホルムズ海峡、春景色―海上自衛隊、堂々の中東二面作戦
国境を抜けても砂漠だった―朝の砂漠をはるばると
砂煙が目に沁みる―不肖、サマワ宿営地に参上!
時にはストリッパーのように―正しい自衛隊風呂の入り方
サマワ前線異常なし―アルシャリク・ホテルの憂鬱
サマワのいちばん長い日―迫撃弾と日本人三名人質事件
避難民になってしもうた!―不肖・宮嶋の宿営地コンテナ生活
自衛隊宿営地某重大事件―人質事件中に起きた真相不明の緊急事態
そして、儂だけになった―宿営地一人ぼっち
逃亡取材を敢行す―三つのヤサを転々と
オランダ兵、爆殺される!―サマワが戦闘地域になった日
二人の訪問者―上官・橋田信介との最後の会話
本当に橋田さんの遺体か?―二人と会った最後の日本人として
著者等紹介
宮嶋茂樹[ミヤジマシゲキ]
1961年、兵庫県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。写真誌フライデーを経てフリーカメラマンとなる。国内外の「危険地帯」に足を踏み入れスクープ写真を連発、その体験を描く迫真のノンフィクションは、読者の熱い支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CTC
11
09年祥伝社黄金文庫、単行本は04年。著者は日芸在学中に、大日本愛国党の赤尾敏を題材として処女写真集を刊行している。中古市場で1.5万円、中々出せないよね、と躊躇するうち気になったのは、宮嶋茂樹氏によるエッセイ群。重版未定のものがかなり増えている。本書は自衛隊イラク派遣時の現地取材を記す。大手メディア撤退後も例により居残った際の記録である。橋田信介氏と小川功太郎氏の襲撃事件時、最期の日本人面会者となった著者の、遺族への義理の尽くし方が印象的。巻末収録写真の、帰還自衛官の子どもの笑顔に胸を打たれた。2017/03/08
ymkmg
3
この人の本にハズレなし。まぁ好き嫌いはわかれるかもね。しかし、とにかくこのは人は現場に行く。思想云々ではなく、現実を見に赴く。机上の空論、蚊帳の外の面々がああだこうだ言ったところで所詮はクソにもならない。以前彼と言葉を交わす機会があった。「地雷を踏まない様に気をつけて下さい」という言葉に彼は「自分はそこら辺の運は強いですから」と答えた。心からその運が尽きない事を願います。2013/12/06
issy
3
バグダッド陥落後のイラクのサマワで復興支援活動を行った自衛隊への密着取材録。著者の価値観や思想信条がストレートかつ感情的(&少々お下品)に書かれており、最初はちょっと読みにくいと感じた。内容自体は、イラク、特にサマワの様子や自衛隊宿営地の詳細など、生々しい記述満載で興味深い。2011/07/06
Masayuki Shimura
2
[不慣れな酷夏で]当時派遣されていた自衛隊が,どのような環境の中で生活をしていたかがよくわかり勉強になりました。一触即発ともいえる治安情勢の中、身を守るという行為がどれだけ大変で重要なことかという点にも思いが至りましたし、宿営地の中にまで踏み込んだ取材からは、概念としての自衛隊派遣ではなく、人間の行いとしてのそれが浮かんできました。2016/12/21
ヘタ
2
自任しておられるとおり、自衛隊の事実上の広報マンが書いた自衛隊の活動報告。 読んでいてふと思ったのですが、ジャーナリストと野次馬根性の違いは? ちなみに、本書は良質なジャーナリズム作品。2015/01/02