内容説明
1994年、世界遺産に指定された京都・東寺。炎上の歴史をもつ五重塔、講堂の立体曼茶羅、戦乱の矢傷を残す不開門…伽藍と宝物に記された謎を読み解くことで、弘法大師・空海の現代人へのメッセージが今、明らかに。
目次
序章 唯一残る平安京の遺構
第1章 東寺は密教を映しだす巨大な装置だった(密教寺院とはどういうものか;空海はなぜ僧の道を選んだのか ほか)
第2章 国宝には国宝級の謎がある(五重塔はどうして倒れないのか;「仏の顔も三度まで」は本当だった ほか)
第3章 ドラマを生んだ三つの門(千二百年前に開かれた教育の門;不動明王が涙をながした蓮花門 ほか)
第4章 そのとき滅亡してもおかしくなかった(そして西寺は滅亡した;東寺炎上 ほか)
終章 わたしの歩いてきた道
著者等紹介
三浦俊良[ミウラシュンリョウ]
1913年、大分県生まれ。若くして高野山で修行し中国に渡って布教活動に従事。43年帰国し、東寺に入る。洛南高校(前・東寺高校)の再建に奔走し、80年校長に就任。現在、東寺塔頭宝菩提院住職、学校法人東寺学園西京極幼稚園園長。本書は、東寺と半世紀以上の深いつながりをもつ著書が、その真実の姿に迫る
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book & Travel
19
先日初めて東寺を訪れたが、平安京以来の歴史の重みを感じる荘厳さと立体曼陀羅の迫力、それでいて地元の人が気軽に御詣りにくる庶民的な感じもあって、その独特な雰囲気に魅了され、近くの書店で本書を購入。「謎」というより東寺のすべてを解説した本で、東寺の歴史、弘法大師空海の教え、曼荼羅や堂内の仏像の解説など盛り沢山。平安京の官寺としての建立から、空海による密教道場としての発展、足利vs新田の戦いの痕跡、土一揆での焼失と復興、廃仏毀釈など、構成が読み辛い所もあるが、波乱の歴史は知らないことが多くとても興味深かった。2016/01/10
こぽぞう☆
17
「東寺の謎」と言うより「東寺の歴史」で良かったんじゃない?奈良京都旅行の予習として読んだが、東寺の長い歴史、空海がいて、そして滅びなかったということ。なかなか興味深かった。宿から近そうなので、朝の6時に行ってみたい。2017/11/15
よし
3
東寺の歴史が体系的に学べてよかった。東寺も荒廃した時代がありそれをみんなの力で乗り越えていまの立派な東寺があるのだと感心した。著者の「死ぬ気」で東寺を再興させた信念に感服した。2021/02/02
hikki46
2
東寺が好きになります。 京都にお出かけの時は、一読を。 立体曼荼羅。2019/07/09
jazztronauts
2
自称仏像好きとして、東寺の講堂にある二十一尊、通称”立体曼荼羅”がベスト・オブ・ベスト。この本のタイトルは”謎”と書いてるが実際は、東寺、仏教、空海a.k.a.弘法大師を中心とした壮大な歴史モノ。内容は悪くないし、その辺の京都ガイドブックには載ってないコアな情報満載だけど、それを手放しで喜ぶ人は絞られると思う。よっぽど興味がないと苦行となるんじゃないかな。あと、ジャケとタイトルはもったいないよね。★★★☆☆2014/12/02
-
- 洋書
- ROMAN FLEUVE
-
- 和書
- 電気化学キャパシタ小辞典