内容説明
角筈、本両替町、黒門町、松坂町…かつて、そこには懐かしく、情緒あふれる名があった!新旧地図と写真で紹介!戦後消えた360の町名から30カ所を厳選し、歴史や文化遺産の残るもう一つの東京の姿に迫る。
目次
1章 仕事、そして遊興の町(本両替町(中央区日本橋本石町)
吉原(台東区千束) ほか)
2章 文人が筆鋒をみがいた町(上野花園町(台東区池之端)
谷中天王寺町(台東区谷中) ほか)
3章 粋を極めた芝居と芸の町(木挽町(中央区銀座)
猿若町(台東区浅草) ほか)
4章 庶民が賑やかに遊行した町(十二社(新宿区西新宿)
赤坂溜池町(港区赤坂) ほか)
5章 大事件でスポットライトを浴びた町(松坂町(墨田区両国)
三河島町(荒川区荒川・西日暮里・東日暮里・町屋) ほか)
6章 番外編(汐留(港区東新橋)
宝町(中央区京橋) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
23
江戸・明治の東京が浮かんでくる一冊です。出版当時の地図上に消えた町が重ねられているので細部場所までわかり良かったです。文人が筆鋒を磨いた町が特に面白かったです。2023/05/08
シュラフ
6
自分の故郷の角筈と十二社が出てくる。現在は西新宿という味気ない地名となっている。浅田次郎の『角筈にて』にある通り、今の歌舞伎町~新宿駅~都庁の一帯は角筈と呼ばれていた。昔、この地域を開拓した渡辺与兵衛という人物は優婆塞(在俗の僧)で、伊勢神宮の忌詞では優婆塞のことを角筈と称することからの地名である。また、昔 十二社は池と滝のある風光明媚な土地であった。大正時代には東京市民の行楽地となり、池畔に料亭が立ち並んだ。実は、今でも十二社の裏手にはその名残の料亭や旅館がある。 2013/07/07
へいがぁ
5
地名が失われるということは、歴史が抹消されるに等しい、と感じました。2017/05/07
nadaha
3
マニアック本シリーズ。東京一極集中しているとはいえ江戸から何百年も続いている中で色んな町が栄華を極めては消えていった。東京の歴史を見ていると、花街とか遊郭とか至る所にあったんだな、と思う。問屋街とかは今でも残ってるけど、いわゆる赤線の類とか遊郭とか、火事で無くなったりお上の意向でお取壊しになってしまったり。やはり昔から栄えていた地域は地名の変遷をたくさん経てるんだなぁ。江戸城の周りとか新宿とか。僕の住んでる辺は取り上げられていなかったけど、要するに昔からまったく栄えていなかったということか。2016/12/01
午睡
1
小林信彦が「私の東京地図」で本書の名をあげ引用している。あのうるさ型の小林信彦が、とりわけ思い入れの強い東京について、他人の書いたものを参考にするのは珍しい。しかし、そのくらい本書の出来がいいということだ。2019/02/09
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