内容説明
榎動物病院の美人獣医栃尾彩子のもとに、火傷の猫を抱いた少年がやって来た。偶然通りかかった民家の焼け跡で拾ったという。翌日、今度は刑事が訪れた。その少年に放火の疑いがあるという。不審に思う彩子は少年の無実を証明すべく、調べ始めた。すると、家人が旅行中でべットの猫しかいない状況下で、室内から出火したことが判明した。いわば現場は密室だったのである。彩子の疑問はさらに強まった。全てを焼失し、悲しみにくれているはずの被害者の子供たちの意外な明るさと笑顔。果たして誰が?何の目的で?いかなる方法で放火したのか?愛すべき犬、猫、鳥と交差する人間の殺意。あなたを謎解きの知的興奮に誘う本邦初の動物ミステリー誕生。
目次
耳を噛む犬
嗤う鳥
猫の中身
憂鬱な犬
蛇のような…
猫は見たか
炎を吐いた猫