内容説明
博報堂DYグループコンテンツビジネスラボは、博報堂DYホールディングス、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズの横断プロジェクトで、コンテンツを起点とした広告やビジネス設計の支援を行う専門チームである。マーケティングプラニング職、ナレッジ開発職、コンテンツビジネスディベロップメント職など約20名で構成されるメンバーは、スポーツ、ドラマ、アニメ、ゲーム、音楽など、さまざまなカテゴリの熱心なファンでもあり、コンテンツに対する豊富な知見と情熱を有していることがラボに入る条件となっている。本書は、その中でも音楽に対する情熱や想いを持つメンバーが執筆に携わった。
目次
第1章 ヒット方程式の変遷(音楽消費行動の変化とヒット方程式の変化;80年代/高視聴率の音楽番組を制する ほか)
第2章 音楽ファンの実態(コンテンツファン消費行動調査データで見る国内音楽ファンとその構造;音楽消費にまつわる9の生活者ペルソナ ほか)
第3章 フィードコンテンツとヒットの方程式(「作品そのものではない情報」がヒットを生み出す可能性;推し活層の熱量が良質なフィードコンテンツを生み出す ほか)
第4章 アーティスト別ヒット考察(アーティストの選定基準;ケース1 YOASOBI ほか)
第5章 鼎談 令和のヒットを考える―スージー鈴木(音楽評論家)×柴那典(音楽ジャーナリスト)×礒〓誠二(ビルボードジャパン・チャートディレクター)(資本主義の力が強すぎた90年代;平成は3つの時代でヒットの構造が違う ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いざなぎのみこと
8
日本の音楽チャートを振り返りながら、メディア、媒体の変遷により、いかにヒット曲が生まれてきたかを解説する一冊。昔はテレビが主流で、それからドラマの主題歌、CDを経由し、着メロなどケータイ文化に発展して、今のサブスク時代と、音楽という一つの文化の栄枯盛衰を俯瞰して見れます。そして令和の現在、どうヒット曲が生まれるかを分析しています。YOASOBIやCreepy Nutsなどを例に挙げているので、すごく分かりやすかったです。自分の好きな乃紫も出てきて納得しました。これから売れたい人も読むといいかも。2025/03/08
izw
6
80年代から20年代前半までのヒットの方程式を概説した後、博報堂DYグループ コンテンツビジネスラボが実施している「コンテンツファン消費行動調査」を元に、令和の音楽ファンの実態を解明し、”Pretender”を例に令和のヒットのメカニズムを探る。そして、グローバルヒットに名を連ねる令和のアーティストとして、YOASOBI、imase、藤井風、tuki.、Creepy Nuts を取り上げ、ヒットの要因を分析し、昭和、平成、令和のヒットに関わった3人の鼎談で終わる。令和の音楽はほとんど知らないが、楽しめた。2025/04/19
Go Extreme
1
心や社会を動かすヒント 生活者の消費行動の変化を軸に 推しの認知度向上や夢の実現に貢献 強い思いを持つ人々 熱量の高いファンコミュニティの形成 ネット発アーティストの重要性 情報入手の多様化・細分化 ダンス動画などのUGC 推しの推しは推し理論の効果 参加型フォーマット 音楽ディープダイバー層 アニメ×バイラル×グローバルというヒット方程式 ファンが自発的に生み出すフィードコンテンツ テストマーケティング的なプロモーション ローカライズ戦略も有効 リアルな体験や共感を伴う具体的な口コミ2025/04/09
Keikoh
0
令和版音楽ヒットの公式「アーティストの魅力」✕「ファンの感情を動かすフィードコンテンツ」=ヒット行動 まず、アーティストが持つクリエイティビティを吟味する。そのうえで、関係性を作りたいファンの情報行動や、該当するファンが利用するプラットフォームの特性を理解し、のちに推し活層が自発的にフィードコンテンツを作りたくなるような情報素材をクラスターの趣味嗜好や口コミに対する衝動・行動を意識して、マッチしやすいものを提供できるか。そして、そのフィードコンテンツを見たあとにヒット指標に関連する行動を促す仕掛けを作る。2025/02/08
かたひろ
0
※タイトルからマーケティング全般の話かと思ったけど音楽の話です。 昭和からのヒットの歴史とかPretenderのヒットを説明しているのとかよかった。 自分がSNSやっているわけじゃないからクラスタ分けが「いるいるw」とか「あの人だな」とかならずにイマイチ入ってこなかったのだけマイナス。 久々に新書を読んだ気がする。2025/01/30