出版社内容情報
「まじめ」を隠れ蓑にした「思考停止」の罪
1942年1月20日、「ユダヤ人問題の最終的解決」を話し合う政府合同会議が、
ベルリン郊外のヴァン湖畔で開かれた。いわゆる「ヴァンゼー会議」である。
国家保安本部長官ハイドリヒ親衛隊大将など錚々たる幹部が出席した同会議に、
事務方として参加していたのが、アドルフ・アイヒマンである。
アイヒマンは、支配地域で増え続けるユダヤ人を負担とみなし、
効率よく殺害する計画策定で大きな役割を果たした。
そして、戦後は南米に逃亡するも捕えられ、イスラエルでの裁判の結果、
死刑に処せられた。
本書は、法廷で「命令に従うしかなかった」と述べ、自らを正当化した
アイヒマンの生涯を追い、従順さが内包する危険性について警鐘を鳴らす。
上位者の命令に対して従順な国民性を持つ日本人こそ必読。
内容説明
負担軽減と効率化によって大虐殺を加速させた男。彼の何が問題なのか?
目次
第1章 アドルフ・アイヒマンとは何者か(ゾーリンゲン出身のごく普通のドイツ人少年;ハイドリヒが統括する親衛隊保安局(SD)への転属 ほか)
第2章 ナチスのユダヤ人迫害政策と「ヴァンゼー会議」(独ソのポーランド分割併合とユダヤ人「国外追放」の新展開;野心的で空想的な「マダガスカル移住計画」の頓挫 ほか)
第3章 ホロコーストを「効率化」したアイヒマン(旧ポーランド領各地に出現したユダヤ人の「絶滅収容所」;アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所 ほか)
第4章 国外逃亡と捕縛、エルサレムでの裁判(ナチ戦犯の国外逃亡を助けたネットワーク;アイヒマンはなぜ逃亡先にアルゼンチンを選んだか ほか)
第5章 日本人の中にもある「アイヒマン的なまじめさ」(哲学者ハンナ・アーレントと「アイヒマン論争」;特派員としてアイヒマン裁判を傍聴した二人の日本人 ほか)
著者等紹介
山崎雅弘[ヤマザキマサヒロ]
1967年大阪府生まれ。戦史・紛争史研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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