内容説明
「七カ国の王」を名乗った突厥の達頭は六世紀末、中国史上から忽然と姿を消す。そして倭国に現われ、倭王となった。この達頭こそ、後に聖徳太子と呼ばれる人物の“正体”である。聖徳太子は倭王=天皇として即位する条件を兼ね備えていた。にもかかわらず、史書には一言も記されていない。それはなぜなのか。また達頭とは、そもそも何者なのか。本書では、これまで不詳だった、その出自をも明らかにしていく。大陸では隋が滅亡して唐が興り、半島では高句麗、百済、新羅の三国が割拠。激動の七世紀、聖徳太子こと達頭の生涯を描く。
目次
第1章 聖徳太子(達頭)の出自(騎馬民族とは何か;ササン朝ペルシアと突厥 ほか)
第2章 海を越えて倭国へ向かう(倭国王が不在だった時代;達頭、新羅勢を撃った倭国を救援する ほか)
第3章 聖徳太子は倭王だった(達頭の倭国入りに抵抗する新羅;なぜ聖徳太子は「天皇」として記録されなかったのか ほか)
第4章 山背王朝の興亡(山背の即位は、すぐには実現しなかった;高向玄理とは何者か ほか)
第5章 聖徳太子の血脈(水面下の暗闘;孝徳(軽皇子)に山背を滅ぼす動機が生まれる ほか)
著者等紹介
小林惠子[コバヤシヤスコ]
1936年生まれ。岡山大学法文学部東洋史専攻卒業。『記紀』を偏重する日本史学会と一線を画し、日本古代史をつねに国際的視野から見つめ、従来の定説を覆しつづける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Humbaba
6
後世に伝えられるほどの功績があるにも関わらずその子孫に関する情報が伝えられていない。となればそこには何らかの理由があると推測される。古い時代の話であればその時代を生きていないどころか、記録すらも充分に残っていないために確実なことはわからないとしても、状況証拠から検討することは可能である。2018/02/26
くものすけ
1
内容にびっくり仰天。発想が素晴らしい。隋から唐の時代、朝鮮半島も三国の時代、真実は何なのかもっと詳しく知りたくなってきた。邪馬台国は奄美大島にありとか...記紀は何を語ろうとしているのだろうか? こちらも今度じっくり読んでみたくなった。2018/04/22
Masataka Sakai
0
どこからか現れて どこかへ消えた人 日本ではないのか2018/02/09
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