内容説明
ローマの歴史には、独裁も革命もクーデターもあり、「パクス・ロマーナ」と呼ばれた平和な時代もあった。君主政も共和政も貴族政もポピュリズムもあり、多神教も一神教もあった。まさに「歴史の実験場」であり、教訓を得るのに、これほどの素材はない。歴史を学ぶには制度や組織は無視できないが、そこに人間が存在したことを忘れてはならないだろう。本書は、一〇〇〇年を超えるローマ史を五つの時代に分け、三二人の生涯と共に追うものである。賢帝あり、愚帝あり、英雄から気丈な女性、医学者、宗教家まで。壮大な歴史叙事詩であり、歴史は人なり―を実感する一冊。
目次
1 建国期―建国期のローマ(ブルトゥス―共和政を樹立した初代執政官;キンキナトゥス―ワシントンが理想とした指導者 ほか)
2 成長期―成長期のローマ(アッピウス―インフラ整備など、類稀なる先見性;ファビウス―耐えがたきを耐える「ローマの盾」 ほか)
3 転換期―転換期のローマ(クラッスス―すべてを手に入れた者が欲したもの;大ポンペイウス―カエサルに敗れた大武将 ほか)
4 最盛期―最盛期のローマ(ゲルマニクス―夭逝した理想のプリンス;ネロ―気弱な犯罪者だった暴君 ほか)
5 衰亡期―衰亡期のローマ(ガリエヌス―動乱期の賢帝;ディオクレティアヌス―混乱を鎮めた軍人皇帝 ほか)
著者等紹介
本村凌二[モトムラリョウジ]
早稲田大学国際教養学部特任教授、東京大学名誉教授。博士(文学)。1947年、熊本県生まれ。1973年一橋大学社会学部卒業、1980年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学教養学部教授、同大学院総合文化研究科教授を経て、現職。専門は古代ローマ史。『薄闇のローマ世界』でサントリー学芸賞、『馬の世界史』でJRA賞馬事文化賞、一連の業績にて地中海学会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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