内容説明
幕末、厳しい監視の目をかいくぐり、他国へ密航を図る者たちが少なからず存在した。発覚すれば死罪とされる中、外国の進んだ知識や技術に直接触れるには、危険な渡海しか途はなかったのだ。本書では、伊藤博文、井上馨などの長州ファイブ、五代友厚らの薩摩スチューデント、同志社設立の新島襄などの、近代日本に功績のある人物をメインに取り上げ、彼らの密航実現までのプロセスをたどり、最大のヤマ場である脱国当日の動きを検証した。国外脱出を企てた者たちの本懐達成に至るまでには、いずれも興味深いドラマが秘められている。
目次
第1章 密航の構図(海外渡航の禁止から解禁まで;密航者とは ほか)
第2章 グループ密航(長州ファイブの深夜の脱国劇(イギリス)
氏名と行き先を偽装、薩摩藩士の大量密航(イギリス) ほか)
第3章 単独密航(ロシア使節団に直訴してペテルブルグへ・橘耕斎(ロシア)
幕末のパリに現われた謎の日本人青年・斎藤健二郎(フランス) ほか)
第4章 密航伝説を追って(タスマニア島の石碑・銭屋五兵衛(オーストラリア)
女傑商人のインド、上海密航・大浦慶(インド・清))
著者等紹介
熊田忠雄[クマダタダオ]
1948年、福島県生まれ。早稲田大学卒業後、1970年にニッポン放送入社。報道記者、報道部長、編成局長、取締役を経て、2005年に退社。以後、早い時期に世界各地へ飛び出した日本人の足跡や江戸・明治創業の老舗商店の屋号来歴、現在居住している東京・本郷の地域史などをテーマに執筆、講演活動を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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