内容説明
有楽町は織田信長の弟・有楽斎が住んでいたから?牛込は昔、牧場があったから?早稲田は早く稲が稔ったから?…全部、ウソ。まやかしです。人口に膾炙した地名の由来は間違いだらけ。俗説が一人歩きしていていつのまにか通説になっているものが、いかに多いことか。半世紀にわたり考証を重ねてきた地名研究家は、東京の地名の由来になぜ問題が多いのか、徹底検証をしていきます。各地の地名を俎上に乗せ、ウソや俗説を正す過程で見えてきたものとは?地名を通して、隠された歴史と真実を明るみに出す、知的エンターテインメント!
目次
第1章 都心に江戸の名残を求めて
第2章 下町めぐり―神田・日本橋から浅草方面へ
第3章 山の手北部(本郷台・豊島台・赤羽台)の地名
第4章 山の手南西部(淀橋台・目黒台・荏原台)の地名
第5章 墨東に江戸~東京の発展を見る
第6章 ドサクサ紛れの区名の成り立ち
著者等紹介
楠原佑介[クスハラユウスケ]
1941年、岡山県生まれ。京都大学文学部史学科(地理学)卒業。出版社勤務を経て、地名についての著述活動に入る。「地名情報資料室・地名110番」を主宰し、正しい地名の復興に尽力(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroki Nishizumi
3
まぁ面白く読めた。なるほどと感心したところもあるし、著者独自の解釈に首を傾げるところもあった。コラムは少々感情的なきらいがあるが、それだけ世間で出鱈目がまかり通っているということかもしれない。「八重洲」大移動の謎は知らなかった。それから確かに区名は東京に限らずセンスないものが多い、後付け地名は難しいな。2015/10/15
K.C.
1
東京の地名の由来を、過去の通説にも丹念に論破しながら説き明かすもの。地名が何かの警告であり、行政の都合でそれが蔑ろにされていくことへの反感は相当なものなんだろう。タモリ倶楽部が喜んで取り上げそうだが、ブラタモリの登場者への批判が2~3カ所出てくるとなると、無理臭いな。2016/08/14
asobi
0
読んでいてなるほどと思う箇所はある。立川や横川が北を上にした地図からぴんと来ないなど面白い。ただブラタモリを目の仇にしたり、大人気ない感じもする。なお、飛鳥区や春日区がダメというような役人根性の区名決定を聞くと昔から今も杓子定規・事なかれ主義が変わらないなと思います。2015/07/29