内容説明
初対面の人を、「お近づきのしるしに、ちょっと一杯」と誘う。これは、飲食の場を共にすることで連帯意識の確認をはかる共食文化のあらわれだろう。神と人とが交流する直会の行事にも通じる。日本には古来、人もモノも文化も、新しいものを受け入れては、試してみる精神があった。その湿潤な気候は、本格的なレンガ造りの建築には向かないが、そこでレンガ張りの技法が工夫される。また、舶来のコロッケをヒントにして、精進の雁もどきが創作された。かように自由な企画発想への熱意を示し、日々実行に移していくうち、一種独特で、多層的な文化ができたのだ。日本人に民族の美点を教えてくれた名著の続編!
目次
1章 東京も顔負け!江戸の驚異的な“都市計画”―あらゆる災害に備えて造られた江戸の街(津波のエネルギーから街を護った堀川の知恵;家康の綿密な計画で造られた江戸 ほか)
2章 日本は、江戸時代から“世界一の教育国”―農民は字が読めなかったと考えるのは大間違い(江戸時代のほとんどの農民は字が読めた;生活のために読み書きは必要だった ほか)
3章 意外!日本は古来“ヨコ社会”が土台だ―タテ割り社会を、ヨコ割りの上に重ねた日本の社会(封建的とは、悪いことの同義語なのか;「士農工商」はヨコ割り社会をあらわす言葉 ほか)
4章 日本の文化は、柔軟な“建増し”構造―あらゆるものを貪欲に呑み込んだ日本の重層社会(雁もどきはコロッケをヒントに作られた;竹輪のことをもともと蒲鉾といった ほか)
著者等紹介
樋口清之[ヒグチキヨユキ]
1909年、奈良県生まれ。国学院大学史学科を卒業。登呂遺跡発掘など草創期の日本考古学の発展に尽力し、わが国考古学界の第一人者として名を馳せた。また、社会や生活の文化史的側面から、一般に向けて書かれた著述も多く、その代表作が『梅干と日本刀』(祥伝社新書)である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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