内容説明
日本の国土面積は世界61位、でも海洋面積は世界6位。その海は、世界でも例をみない水産資源、鉱物資源の宝庫。古来、日本は海を慈しみ、その恩恵を受けて経済や生活の基盤を整えてきた。ところが今日、水産物の消費は減り、水産・海運業界は時代の潮流から取り残され、凋落している。世界的な食糧危機、およびエネルギー問題と直面する中、今こそ日本はこの資源を、新たな視点から構築・整備し、再生・発展することが求められている。
目次
序章 海洋国家日本のサバイバル
第1章 激化する海洋資源争奪戦争
第2章 魚を脅かす海洋・河川環境の危機
第3章 崩壊の危機にある日本の海洋水産
第4章 期待がふくらむ海洋再生エネルギー
第5章 世界中が狙う海底鉱物資源
第6章 日本の海を再生させる社会的仕組み
終章 海洋の活用こそが、国土を守る
著者等紹介
佐々木剛[ササキツヨシ]
1966年生まれ。東京海洋大学海洋科学部海洋政策文化学科准教授。博士(水産学)。専門は、水圏環境教育学、水産教育学。1990年、東京水産大学水産学部水産養殖学科卒業後、2006年まで岩手県立宮古水産高等学校教諭。その間1997年、上越教育大学大学院修士課程、2004年、東京水産大学水産学研究科博士後期課程修了。2008年カリフォルニア大学バークレー校訪問研究員。2006年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねこ
119
日本は国土面積は世界第61位。しかぁーし、海洋面積は世界の何と第6位!尚且つ水産資源や海洋エネルギー、鉱物資源など豊富な資源を備えた「海洋資源大国」なのであーる。しかぁーし、しかしである。排他的経済水域(EEZ)は全て海外企業に牛耳られているのであーる。何てこったぁー!日本はTPPによる輸出産業のメリットを引き換えにぃー、豊富な海洋資源の利権を放棄したのだぁー!コォラァぁぁー!と筆者は怒っています。(勿論こんなに大袈裟に書いてはいませんっ…てか、かなり真面目な方だと思います…私の誇張です)がんばれニッポン2023/06/30
uusak
5
日本には「海」という大きな財産があります。ただし地球環境を守り、持続可能な利用を行う必要があります。2015/02/28
スプリント
4
水産資源から鉱物資源、エネルギー資源と様々な海洋資源についてその現状ととるべき政策について論じられています。波力発電や潮汐発電など海を利用して発電に可能性が感じられる内容でした。その反面、うなぎをはじめとする水産資源の未来はかなり厳しいことがわかりました。2014/09/27
ntscp2020
1
前半の漁業、転じて現代日本の食生活に関するところは、うなぎはそんなに大量に食べるものでない、とか少しずれている感じがしたが、後半の海洋エネルギー、海洋資源に日本が国として注力すべきというのはその通りだろうと思う。2021/10/12
バリバリブーン
1
日本の海洋事情の全体像をわかりやすく紹介されているので、現状と課題が理解しやすかったです。 全体的に日本の国策としての対応が鍵となる印象ですが、 最も苦手とする分野なので先行きが心配になりました。2014/10/11
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