内容説明
かつて一流の武家や商家では、当主たちが子孫に向けて、実体験に基づいた教えを伝えるために「家訓」をつくることが多くありました。たとえば「苟しくも浮利に趨り軽進すべからず」(住友家訓)といったように、改めて読み直すと、現代に生きる私たちにとっても役立つものであることに気づかされます。これらは、人生の「背骨」、すなわち指針を持つために大きな助けとなります。武家や商家の家訓や財閥、現代の一流企業の社訓などから、仕事と人生に役立つ言葉を齋藤孝がセレクト。現代日本人が忘れた先人の知恵を読み解いていきます。
目次
序章 なぜ今、家訓なのか
第1章 「人目」が何よりも大事―生活の訓え
第2章 「誇り」を子孫へ伝える―家を守るための訓え
第3章 決断力がある人の「相談力」―対人関係の訓え
第4章 近江商人に学ぶ「三方よし」の精神―お金の訓え
第5章 「浮利」を追ってはいけない―仕事の訓え
第6章 最強の教科書とは何か―学びの訓え
著者等紹介
齋藤孝[サイトウタカシ]
明治大学文学部教授。1960年、静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーシヨン論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たか
8
期待したほどの内容ではなかったけど、いくつかなるほどって思うこともあったので読んで良かったかな。2018/10/05
nizimasu
5
日本の社会において家庭の位置づけとは随分大きな変遷をしていると思う。そうした中でも家訓という家を次の世代に引き継ぐという意識も失われつつあるんだけれど、特に武士の家系での家訓というのは、戦前の修養や江戸以降は儒学の影響かにあるようなものばかり。あまり深みは感じないけれど、どこか日本人の生活感覚の延長線あるようなものばかりでかなり興味深い。そのあたりの成立の背景ももっと知りたいな2014/09/15
ルル
4
今も昔も人は変わらぬものなのですね。2015/06/11
Ando Takenori
4
数々の名言を紹介してきた齋藤孝さんが今度は家訓という観点からアドバイスをしてくれます。家訓というと古臭く厄介なものというイメージがありましたが、「精神の背骨を作る」言葉であり、生き抜くための判断基準となるものという考え方を提案してもらったことで俄然興味が湧きました。あとがきにもあるように「自分の大切な人に、自分が人生で得た鉄則を伝え、繁栄と幸福を願う。この自然な感情が形になったのが家訓です。」このように考えればもっと家訓というものが、広まっていいと思いました。2014/06/13
happymade
3
子供たちに伝えたいことはたくさんあります。それが押し付けになりはしないか、子供自身の将来や思考を狭めてしまわないか?いつも悩みます。今わかってくれなくてもそのうち、なんて淡い希望的観測では駄目な普遍的な真理を慎重に伝えていこう。2015/08/16