内容説明
馬車鉄道に始まり、地下鉄やバスに取って代わられた路面電車の歴史は、明治・大正・昭和と大きな変貌を遂げていった東京の街をみごとに映し出す。本書は、都電史をたどるだけでなく、その形成に関わった他の鉄道、道路、都市計画、産業などにわたって、いくつもの興味深い話を教えてくれる。そこから垣間見えてくるのは、東京の発展や復興に賭ける、先人たちの熱意と執念に他ならない。
目次
序章 都電と出会う
第1章 1系統―日本の鉄道史に彩られた路線
第2章 22系統―“元祖1系統”ともいうべき路線
第3章 8系統―東京の都市計画を体現した路線
第4章 13系統―新宿に繁栄をもたらした路線
第5章 10系統―時代の波に翻弄された路線
第6章 17系統―池袋を発着した唯一の路線
第7章 14系統―山手線の駅から西へと向かう唯一の路線
第8章 2系統・18系統・41系統―都電最長の路線
第9章 都電荒川線―唯一、生き残った路線
著者等紹介
小川裕夫[オガワヒロオ]
1977年、静岡市生まれ。行政誌編集者を経て、フリーランスライターに転身後、“地方自治”“総務省”“内務省”“鉄道”を主な取材分野として活躍。2009年にはフリーカメラマンとして初めての総理大臣官邸会見に参加した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
月猫夕霧/いのうえそう
5
過去の路線の沿線を辿りながら、停留所のあった地区について歴史的な蘊蓄を書いていくという本でした。話は色々と飛ぶし、路線をベースに書いているので地区的なまとまりも判りにくく、とっ散らかっている印象があります。そこに目をつぶれば、書いている東京の歴史自体は面白いのですけどね。2022/06/27
とみやん📖
4
かつての代表的な都電の路線の紹介を通じて、首都東京の都市としての成り立ちや鉄道の歴史、都市計画の歴史を知ることができる良書。 前から順番に読んでいくと、次第に時代を下っていく流れになっていて、良く考えられている。2016/08/14
mft
3
歩かない。代表的な都電の路線を紹介しつつ敷設の経緯や周辺の歴史を紹介するという内容。言葉の使い方に若干違和感がある(不即不離を密接不可分的な感覚で使ってるんじゃないかとか)2019/01/29
rbyawa
3
d178、正直なところ鉄道マニアには勧められないだろうし勧めても来られないと思うのだけれども、都電と道路の話、それぞれの土地の簡略な話は面白かったと思う。環状1号から環状6号まで(江戸城内濠、マッカーサー道路、播磨坂のみ、不忍通り、明治通り、山手通り)の説明などはあれだけの文章でさらっと説明しきっていてお見事。土地の情報がばらばらに点在している傾向のある東京市電-都電の歴史を時代と土地を綺麗に並べていたのも良かった、文章も読みやすかったです。ただ鉄道史の謎にチャレンジする前にもう少し情報を入れるほうが…。2013/12/04
ねこじた
2
都電の解説本というよりは、都電沿線にまつわる歴史話がメインで構成されている本。 よく調べられていて正確、鉄道好きでない読者にもお勧めできる。 都電の路線図全体も掲載してくれれば尚良かった。2014/05/09