内容説明
三八度線、四五定、五六盗(三八で肩叩き、四五で定年、五六で会社にいれば給与泥棒)の国の実態とは?テレビで人気の美人学者がうちあける、日本人の知らない本当の韓国!
目次
第1章 情報の歪み(韓国というカオス;近くて遠い国・韓国;変化していった韓国のイメージ ほか)
第2章 成長の歪み(韓国は本当に、超格差・超競争社会なのか?;「韓国=超格差論」の誕生;ジニ係数と相対的貧困率から考える ほか)
第3章 対立の歪み(韓国政治のダイナミズム;大統領の悲劇は、なぜ繰り返されるのか;絶大な権力を有する「帝王的大統領制」 ほか)
著者等紹介
金慶珠[キムキョンジュ]
韓国・ソウル生まれ。梨花女子大学社会学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。専門はコミュニケーション論、メディア論を中心とした社会言語学。現在、東海大学教養学部国際学科准教授。日韓両国で多くのテレビ番組にコメンテーターとして出演、歯に衣着せぬ発言で注目を浴びる。2005年、韓国仏教文化財団より韓日仏教文化学術賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kawa
27
日韓のメデイア等の報道や経済数値を通して、韓国の実態を明らかにしようとする試みなのだけれど、なるほどというような知的刺激は少なかった。韓国は既に日本をロールモデルとして見ていない。格差是正の関心が、日本ではセーフティー・ネットの構築、韓国では機会の均等にある。韓国社会における強烈な競争の背景には、相対的剥奪感という概念が存在する、等の記述が興味を引いた。それにしても、絶大な権力を有する大統領の繰り返される悲劇の末路を、韓国の人は取り立てて不自然に思っていない(喜劇と認識)という記述にはびっくり。2018/12/27
onasu
18
お隣りの国の事情を、てことで手にしたのだけど、読むだけですっきりなんてはずもない。作中にある通り、分かり易い説明が、かえって真の理解を遠ざける場合も多い。 でもそうなら、どうやって相互の不信を解消させられるのか。それには触れられていないし、一冊の著作で叶えられることでもない。 しかし、韓国イメージの幾つかは訂正が綴られている。少なくとも誤解は解こう、そうやって地道にいくしかない、と。 身贔屓でもない、安易に結論も出さない。そこは好感だが、中途半端な感は拭えない。近くて遠い国のイメージもそのままだ。2013/10/20
ちくわん
15
2013年6月の本。近くて遠いと言われつつも、なぜ、分からないのか?本書は、分かりやすかった。すべてをわかったとは言わないが、著者の説明が極めて分かりやすい。学びやすい。「歪み」をキーワードに構成。他著も読みたい。2019/11/04
AKIKO-WILL
12
テレビで良く見かける日韓問題では、必ずコメンテーターとして出てくる著者。テレビでは一部分しか彼女の意見が聞けないので読んでみました。白か黒か?YesかNoか?物事がハッキリしてればこうモメる事もないのだけど。近くて遠い国と言われる韓国。お互いに分かり合えないのか?この本を読んで、根本的に一つの問題でも見ているモノが違うズレがあると感じました。ただ著者が言うステレオタイプでメディアの情報が全てだと思ってしまうのは間違いだと。テレビや新聞、ネットの情報を鵜呑みにしてそれを信じてしまうのは危険です。自分の目で見2014/04/29
ふな
10
図書館本。格差社会と思われている韓国だが、実際の数字は日本と大差ない。しかし格差に対する意識は日本より高い。財閥の影響もあり、競争におけるスタート地点が平等ではないと感じている。韓国人は上昇志向が高く、出世や成功にこだわる人々が相対的に多い、らしい。大体イメージの通りだった。「歪み」を正すというほどではなかった。2019/08/15