祥伝社新書<br> なぜ日本人は、最悪の事態を想定できないのか―新・言霊論

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祥伝社新書
なぜ日本人は、最悪の事態を想定できないのか―新・言霊論

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  • サイズ 新書判/ページ数 187p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784396112899
  • NDC分類 304
  • Cコード C0295

内容説明

悪い事態を想定すると現実になる、「事故が起こる」と言えば実際に起こるから、口にしないし、考えもしない。この考え方は「言霊」の力によるもので、日本人は今も、その支配下にあり、これがある以上、危機管理はできない。福島第一原発で、事故への備えがまったくなかったのはなぜか?この謎を解く鍵も「言霊」にあった。永年、「言霊」の弊害を唱えつづけてきた著者は、二十一世紀になっても、政治、経済、社会、報道、あらゆる分野でまったく変わっていない日本の現状に、あらためて警鐘を鳴らす。

目次

第1章 福島第一原発の事故に潜む「言霊」の影(「津波まで想定するのはタブー視されているんだ」;なぜ国費で作られた災害用ロボットが捨てられたのか ほか)
第2章 現実から目が離れていく、「言霊」の弊害(開戦十七年前の出された、太平洋戦争の予測;なぜ予測を冷静に受け取らないのか ほか)
第3章 「言霊」を理解しないと、日本史はわからない(「縁起の悪い」言葉は、「不幸」を招く;実名は、けっして知られてはならない ほか)
終章 私と朝日新聞闘争史(かつて「言葉狩り」という運動があった;北朝鮮問題にも影を落とす、言霊 ほか)

著者等紹介

井沢元彦[イザワモトヒコ]
1954年愛知県生まれ。早稲田大学法学部卒業後TBSに入社、報道局に勤務する。80年『猿丸幻視行』で江戸川乱歩賞受賞。以後、歴史推理小説の分野で活躍する一方、日本史と日本人についての評論活動を精力的に展開。歴史についての鋭い考察は「井沢史観」と称される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

gonta19

85
2012/9/1 Amazonより届く。 2017/1/31〜2/1 井沢元彦氏の「言霊2」と言うべき内容。日本人の奥底に潜む言霊信仰のために、いろいろな問題や世界の中での異質感というものが日本および日本人に生じることがよくわかる。自分でもそうならないように気をつけねば。2017/02/01

よこしま

38
“タブー”◆マイナスの予測とは将来の危機を避けるために有効なのだが、言霊の世界では逆に危険な道を招いてしまう。言霊というと綺麗なイメージですが、日本人の根っこにあった悪い性分だと。◆例えに結婚式で、縁起の悪いことを省く祝詞が必須ですよね。これが大きく延長し、福島第一原発に関しては、社員が「津波がきたら炉心溶融」と上司に申告したにも関わらず、上司は「安全審査では津波を想定するのはタブー」と言って閉口。太平洋戦争も大正の時点で負ける予測が出たように。◆限度がある!危ないものは危ないと言える世論を作らないと!2016/02/23

シュラフ

31
「員数(いんずう)主義」とは、数字さえ合えばそれでかまわず、その内実はまったく問わないという形式主義。実態はインチキとかゴマカシなのであるが、とりあえず見かけの数字が達成されていればそれでよしとなる。この員数主義も「かく言えばかくなる」という言霊の作用だという。だが、本当に重要なのはその中身と実態なのである。「言霊」とは、美辞麗句によって表面だけをキレイに見せて、その中身の問題点を見ようとしない愚かさ。日本人はこの無意識のうちにこの「言霊」に支配されているというのだから厄介である。気をつけねばならない。 2015/10/17

yamatoshiuruhashi

17
読友さんのレビューで知った本。井沢元彦による「言霊思想」の弊害からみた福島原発事故。彼のシリーズを読んでいると何度も何度も繰り返される話ではあるが、実に重要な話だと思う。思うに、言霊思想による起こってはならないこと、起きてほしくないことは口に出してはいけない、即ち準備してはいけないということは、"Be prepared"「備えよ常に」という基本精神の対極である。2017/02/11

maito/まいと

14
う~ん、言いたいこともぶつけたい相手も、井沢本ではおなじみなのだけど、そこだけフォーカスすると、やっぱり素直に受け取れないなあ。もちろん、近年の報道には本質から遠ざかっているところがあるし、それでいて変わらないのも、歪んでいるところ。でもそこは、正論だけでは変わらない。 だからこそ過去から学び、日本人とは何だったのか、と考える。そして今の社会への疑問を受け入れていく。“言霊”志向も含めて、日本人は何気ない自分たちの感覚の正体を知って明日を生きる。井沢本がそのきっかけになり続けることを望んでます。2013/09/29

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