祥伝社新書<br> 村上春樹と夏目漱石―二人の国民作家が描いた“日本”

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祥伝社新書
村上春樹と夏目漱石―二人の国民作家が描いた“日本”

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  • サイズ 新書判/ページ数 296p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784396112431
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

内容説明

夏目漱石と村上春樹は、ともに「国民作家」というべき、日本を代表する作家である。従来、二人の作品は「個人」の側面から語られることが多かった。しかし、彼らが国民作家である最も大きな理由は、ともに自身が生きている時代社会のあり方とその行方を、作品に盛り込みつづけたことにある。そもそも、漱石と春樹には、時代に対する意識とその表現方法に共通項が多く見られる。本書では、その観点から作品を読むことで、彼らが日本をどのように見ていたのか、明治から現代にかけて、この国で形を変えて繰り返されるものと、新たに生まれてきたものを見ていく。

目次

第1部 二人の出発点―それぞれの時代への眼差し(「真」を捉えようとする表現(漱石)―『吾輩は猫である』『坊つちやん』
混在する時間 六〇年代と七〇年代(春樹)―『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』)
第2部 大きな物語の後で―支配される人びとの姿を描く(「個人主義」と韓国併合への反感(漱石)―『それから』『門』
情報に支配される現代(春樹)―『羊をめぐる冒険』)
第3部 「空っぽ」の世界―二人にとっての“ポストモダン”とは(「淋しさ」に至る“勝利”(漱石)―『こゝろ』
「空っぽ」の人物たち(春樹)―『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『海辺のカフカ』)
第4部 未来と過去を行き来する物語―二人の込めた“日本”への願いとは(“未来”からの眼差し(漱石)―『こゝろ』『道草』『明暗』
「心」のつながりと「物語」への期待(春樹)―『アフターダーク』『1Q84』)

著者等紹介

柴田勝二[シバタショウジ]
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。博士(文学)。1956年生まれ。1986年、大阪大学文学研究科芸術学専攻単位取得退学。山口大学助教授、相愛大学助教授などを経て現職。専門分野は日本近代文学。明治・大正期から現代にいたる近代文学を幅広く研究・評論している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ころこ

29
大体の読者が多少なりとも読んだことのあるいうのが共通点で、それ故に読まれる期待もある反面、批判的に読まれるだろう批評文を書いた蛮勇には敬意を持ちます。社会反映論になっており、著者が読みたいものを読み込むという社会反映論の問題点が端的に表されています。両者の共通点は著者が気になる戦前の失敗とその後ろめたさに端を発する戦後の学生運動というだけで、文脈を共有していない読者には飛躍があると思えてなりません。従来の批評の文脈を村上の状況論として漱石を縮小再生産しただけだというのが文脈を共有していない者の感想です。2020/12/20

佐島楓

20
両方好きな作家なので購入。2人に共通しているのは時代性を物語中で描写するということらしい。そこにどれだけ普遍性を盛り込めるかなのだろう。「ノルウェイの森」の解釈が私が素直に読んでいた内容と違っていてショックだった。そういうのは読み手にゆだねるべきだと思っている。なので影響されないように再読したい。2012/06/21

ロッキーのパパ

9
漱石はともかく春樹が「日本」を作品の主題としている点に違和感があったけど、本書を読むとテキストを丁寧に検証する著者の主張に頷けるようになった。もちろん、その読み方だけが正解としてではなく、そういう読み方も成り立つなあと納得した程度だけど。ただ、二人の関係を強調したいあまり、春樹が漱石の熱心な読者と書いているのは疑問だ。春樹のエッセイやインタビューはかなり読んでいるけど、漱石に触れたことって見たことがない。後、ネタばれに近い内容が含まれているから、二人の作品を網羅的に読んでから手に取った方がいいと思う。2011/09/15

NAKY

3
漱石の男女三角関係が日露戦争後の日本と半島の関係に対する漱石流の批判であるとの論は驚きもしたが確かにそうかもしれない。風の歌を聴けの時間軸の巧妙な組み替えも確かにそうかも。再読するのが楽しみに。文学の楽しみの奥行きと広がりに気づかせてもらえる良書。2014/06/23

酩酊石打刑

2
アナロジーで語られるこの二人、それなりに楽しく読むことができた。しかし、文学特に小説の評論とか研究は実体のあるものではないので、飛翔していく想像ののびやかさが楽しい。『1Q84』の二つの月が<朋>という字になり天吾と青豆の関係を示唆しているとか、表題のは形状がマウスに似ていて初期作品の重要人物鼠を想起させるなどなど、ほとんど笑ってしまうような言及ではあるのだが、詩とか映画とか音楽とか自由に妄想を楽しむのも読書の愉悦だろう。2016/09/06

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