内容説明
学校給食から「クジラの竜田揚げ」が消えて久しい。鯨肉の供給量は、反捕鯨勢力の圧力で激減し、すっかり高嶺の花となった。一度も食べたことがないという日本人が増えている。私たちは古来、食べることを前提にクジラを捕ってきた。皮も内臓も軟骨も、一頭を余すところなく食べる。江戸時代に、八〇種以上の部位を解説した料理本が書かれていたほどだ。なにより愛着と敬意をもってクジラに接してきた。こんな優れた食肉文化は、世界を見渡しても他にないだろう。固有の食文化こそが、民族性の基本である―。途絶えさせることなく、後世に伝えなくてはならない。
目次
序章 クジラが大衆食だった時代(日本人を救ったクジラ;「クジラの竜田揚げ」が消えた日 ほか)
第1章 日本の鯨食は、いかにして発展したか(食文化こそが、民族文化の基本である;鯨食の土台を築いた「鯨組」 ほか)
第2章 鯨食は生きている(鯨肉はどこから来ているか;いちばんおいしいクジラは何か? ほか)
第3章 日本全国の鯨食文化を訪ねて(クジラと歩んだ日本人;千葉の鯨食を訪ねる ほか)
終章 未来食としてのクジラ(増えている鯨類資源―南氷洋と北西太平洋;クジラは、人類最高の食材)
著者等紹介
小松正之[コマツマサユキ]
1953年、岩手県生まれ。東北大学卒業。エール大学経営学大学院(MBA)修了。東京大学農学博士。1977年に農林水産省に入省後は、水産庁「資源管理部参事官」「漁場資源課長」などを歴任。一貫して国際交渉畑を歩み、IWC(国際捕鯨委員会)、CITES(ワシントン条約)、FAO(国連食糧農業機関)などの国際会議に日本代表として出席する。現在は国立「政策研究大学院大学」教授として教鞭をとり「リーダーシップ論」を講義している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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