内容説明
「教会で聖書は日本語で読まれているのに、なぜお寺のお経は漢訳の音読なのか?わけのわからないお経を聞かされて、正座の足が痛いだけの葬式は、自然な姿なのだろうか?」そう疑問を感じた著者は、古刹の僧侶である自分の使命として、お経の現代日本語訳に取り組んできました。お経は、読んでわかり、聞いてうなずけてこそ、死者の魂を慰め、残された人の心を安らかにさせてくれます。現代日本語に訳され、それが葬式の場で読まれて、はじめて釈迦が、仏教の先人たちが、何を伝えようとしたのかがわかるのです。本書は、新しい葬式の形を提案するとともに、仏教に親しむために何が大切かを教えてくれます。代表的なお経の現代日本語訳つき。
目次
第1章 なぜ、日本語でお経なのか(9歳で坊さんになれる僧侶の世界―自分史をふりかえる;お説教に対して疑問が湧いた ほか)
第2章 日本語でお経を読むという試み(正信偈や、お経の意訳に取り組む;音読と朗読―これからの課題)
第3章 理想のお葬式を改めて考える(日本の仏教と宗派;仏教徒の共通項は「三帰依文」 ほか)
第4章 現代日本語で読むお経(伽陀;表白 ほか)
著者等紹介
戸次公正[ベッキコウショウ]
1948年、大阪府泉大津市生まれ。大谷大学大学院修士課程修了。真宗大谷派南溟寺住職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かず
5
真宗大谷派の古刹に生まれた著者は、大谷大学を卒業し、今は住職を務められているという、まさに大谷派のエリートだと感じます。しかし、幼少の頃にはお寺に欺瞞性を感じ、嫌悪感を持たれていたそうです。そういう氏が、その後、お経のありがたさに気づかされ書いた本ですので、「もっと知ってほしい」という深い熱情をひしひしと感じます。お経は漢文なのでなかなか一般人には難しく、葬式で聞いても何やらちんぷんかんぷんですが、折角のアジアの英知を埋もれたものにするのは勿体ないと思います。真宗門徒に限らずとても意義深い本だと思います。2014/11/22
renren
1
お経の現代語化(浄土真宗)の本。逐語訳からほんの一歩だけ踏み出た訳で非常によかった。漢文は感じを目で追うだけでも3割方はわかるけども、丁寧に読み解かれるとすっとはいってくる。2021/01/20
sonsan
0
お経等の意訳は○だがその他がやや面白味に欠ける。意訳の集大成の本があれば読んでみたい。/4点2014/10/14
chon
0
意味不明でお経を唱えているのは、お寺はお釈迦様の教えを分からないようにしているだけだと思った。
lovekorea
0
そういや、神道の『祝詞』でしたっけ?も、意味不明ですけどみんなありがたがっているようですね。 無神論者のボクには理解できませんけど、何かに寄り添いたい気持ちはわからんでもないですな。2025/01/03