内容説明
「嫌なやつ」「ゴマすり」「おべっかつかい」など、茶坊主には本当に悪いイメージがついている。職場内では、ゴマすり社員を指して「あいつは、茶坊主みたいなやつだ」という。しかし、本来、茶坊主とは武士の立派な職制の一つであり、高い教養と礼儀作法を身につけた者がなっていたのである。彼らは、職務上、老中・若年寄などの幕閣要人から、御三家・譜代・外様に至るまで、日常的に広く諸大名と接触する。そのための行儀作法を、幼少時から徹底的にしつけられていた。本書では、江戸幕府内の特殊な職業集団であった茶坊主を分析し、知られざる生態に陽の目を当てた。彼らの持つ、すぐれた協調性、情報収集力、交渉術を学び「いい茶坊主のススメ」として読んでほしい。
目次
第1章 「茶坊主」は、バカではつとまらない(そもそも「茶坊主」とは何者か;「茶坊主」のルーツを探れば ほか)
第2章 「茶坊主」の歴史学(千利休は「茶坊主」といえるのか;秀吉政権の中枢にあった利休の実像とは? ほか)
第3章 「茶坊主」の考現学(政界派閥における親分と「茶坊主」議員の関係;「選挙の三バン」が命綱、支援者に尾を振る「茶坊主」センセイ ほか)
第4章 企業内「茶坊主」の生態学(「企業内の茶坊主」について;どの職場にもいるイヤな奴は、「茶坊主」とは違う ほか)
第5章 今こそおすすめ、「茶坊主」の処世学(おべっかを使え、ゴマをすれ、上司には追従せよ―ポストを得てこそ、自分の能力が発揮できる;社内の情報通であれ―ウラ情報を握っていれば、人は寄ってくる ほか)
著者等紹介
立石優[タテイシユウ]
1935年、大連(現中国)に生まれる。明治大学文学部を卒業。広告代理店勤務ののち、作家活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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