内容説明
1755年11月1日、ポルトガルの首都・リスボンを襲った大地震。その復興によって、近代都市リスボンが誕生した。近代都市の理想に向けた試みを、建築史・都市史的観点から考察。
目次
第1章 リスボン地震発生
第2章 リスボン市内
第3章 失われたリスボン
第4章 ポンバル侯と臨時政府
第5章 緊急施策
第6章 復興に向けて
第7章 都市再建計画の作成
第8章 再建の手法とその過程
第9章 ポンバリーノ建築
著者等紹介
大橋竜太[オオハシリュウタ]
1964年福島県生まれ。現在、東京家政学院大学現代生活学部現代家政学科教授。博士(工学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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パトラッシュ
97
一国の首都が巨大地震に襲われた例は、西のリスボンと東の東京だけだ。震災後の再建にあたり最も違ったのは、有能なリーダーが復興と再開発の指揮にあたったか否かだった。全権を握ったポンバル侯爵は教会の反対を無視して犠牲者を水葬にし伝染病を防ぎ、略奪者を容赦なく処刑して秩序を保ち、有能な建築家に再建案を作成させた。今日の美しいリスボンの街並みは専制独裁者あればこそで、ポンバル侯がいなかった東京は無秩序な都市のまま残った。非常時には非常の策を講じられる人を得られるかが、被害を長引かせず収拾するカギだと痛感させられる。2023/04/28