内容説明
「裂け目」が見える今、建築家に何が可能か?
目次
1 近代から解放されて
2 都市の中のムラ(新たな居住都市のイメージ;「建築の問題群」の所在;都市デザインの作法;都市の中のムラ)
DIALOGUE(新しい都市建築のタイポロジーを目指して―北山恒×〓橋一平;ブリコラージュが暗喩する次代の建築―北山恒×中川エリカ)
著者等紹介
北山恒[キタヤマコウ]
1950年生まれ。横浜国立大学大学院修士課程修了。1978年ワークショップ設立(共同主宰)、1995年architecture WORKSHOP設立主宰。横浜国立大学大学院Y‐GSA教授を経て、2016年法政大学建築学科教授。横浜市都心臨海部・インナーハーバー整備構想や、横浜駅周辺地区大改造計画に参画。第12回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展コミッショナー(2010年)。受賞歴に、日本建築学会賞、ARCASIA建築賞ゴールドメダル、日本建築学会作品選奨、日本建築家協会賞など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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iwtn_
3
近代的な都市が成立していた前提が崩れ落ちていく中、生活のための住空間をその中にムラとして発生させよう、という思想を実践しつつ語った本、といったところか。日本中に広がるジェネリックな都市への対抗策。過去のムラ社会と人口が集中する都市を止揚できるか、に挑んでいる感じ。方向性は好みだし、自分も東京の下町的な要素を残す場所に引っ越したりもしたが、政治の動きは高さの制限を撤廃するなど、逆の方に向かっているようだ。しかし血縁も無くなった巨大な渦の中で、一度バラバラになった繋がりを再結合できるのか。大きな挑戦ではある。2022/10/23
Go Extreme
2
未来都市はムラに近似する 近代から解放されて 都市の中のムラ:新たな居住都市のイメージ 建築の問題群の所在 都市デザインの作法 都市の中のムラ DIALOGUE:新しい都市建築のタイポロジーを目指して―北山恒×高 橋一平 ブリコラージュが暗喩する次代の建築―北山恒×中川エリカ2021/03/28
askmt
1
非常に刺激的かつ納得感のある論考である。膨らみすぎて破裂しそうな風船を破裂させないための一つの方向性を示しているように思えるし、ここで主に取り上げられている領域での話だけではなく、他のいくつもの領域で個別に同じような方向性が示されてきているような気がしている。2022/09/23