内容説明
日本の家の特質は、自然のなかに住むことを基本としてその形を定めてきた。通風を良くする。日照を採り入れるなど、環境との融合性から内部空間の一体性を創出し、そこで生活することから、家族関係和合から起居する立居振舞いに至るまでの居住様式をつくり上げてきた。そのことを全面的に否定するのが密閉生活化の居住様式と断じざるを得ない。本書の記述は、日本の家の特質を築き上げてきた立脚点を継承することが、環境保全の時代を切り開くうえで最重要の視点であることを主軸としている。
目次
1章 総説(してはならないことをまず列記してみよう;部屋独立型の間取り→広がり空間の間取り ほか)
2章 家の形(空間性;架構性 ほか)
3章 家の内容(自然性;生活性 ほか)
4章 棲居の再生(家は住み手よりも長命;保守点検だけでなく間取りを変える ほか)
5章 チェックポイント集(敷地の用法;隣家との関係 ほか)
著者等紹介
吉田桂二[ヨシダケイジ]
1930年岐阜市に生まれる。1952年東京美術学校(現東京芸術大学)建築科卒業。吉田五十八賞(1991年)、日本建築学会賞作品賞(1992年)受賞。現在、連合設計社市谷建築事務所代表取締役。工学博士。元東京芸術大学客員教授、全国町並み保存連盟顧問、日本ナショナルトラスト保存活用委員、大平保存再生協議会理事、生活文化同人代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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