内容説明
一九三四年、北海道・札幌に生まれた著者が、建築家として独立する三十歳までのワールドワイドな修業遍歴を物語る。早稲田大学での師、今和次郎、武基雄、吉阪隆正らとの出会い。大学院時代に住み込んだ不法占拠のバタヤ部落「蟻の町」でのエピソード。フルブライトで留学したハーバード大学、コロンビア大学などでのカルチャーショック。丹下健三、カーン、グロピウス、コルビュジエ、セルト、そしてイサム・ノグチらとの劇的な交流。デンマークのウッツオン事務所やヤコブセン事務所でのユニークな体験の数々、などなど…。波瀾万丈の修業物語の底辺に流れるBGMは、後輩たちへの熱い激励のメッセージ。
目次
第1章 北の街札幌にて1934‐1952(大工の岩見さんと生家;「タボ」と創成川 ほか)
第2章 日本の首都にて1952‐1959(野手教授と下宿生活;クラスメートの芋洗い ほか)
第3章 アメリカの東部にて1959‐1962(ビル・ムーアとクラムチャウダー;クリスチャン・ウルフとバッハ ほか)
第4章 北の小国デンマークにて1962‐1964(森のヨン・ウッツオン;ニールセン夫人と白鳥薬局 ほか)