内容説明
漱石は学生時代、建築家になろうとした。そしてその作品に登場する都市と建築の描写は、多様で、詳細で、また重要な「意味」をになっている。それは現代に生きるわれわれの心象風景の原型であり、われわれは彼を歩かせることによって、「西洋」という力に直面した明治人の心と、「近代」への道を歩んできた日本人の心を知ることができる。漱石とともに歩いてみよう。それはわれわれ自身の心を知ることだ。
目次
1 閉ざされた舞台―場の三部作
2 漂泊の住まい
3 ヒロインと建築様式―東京の四部作(前)
4 草を枕に
5 市中に隠れる―東京の四部作(後)
6 開かれた視野
7 漂う心―海の三部作
8 文学と建築の出会うところ
著者等紹介
若山滋[ワカヤマシゲル]
1947年生まれ。1969年東京工業大学建築学科卒業。1974年同大学院博士課程修了。(株)久米設計勤務を経て現在、名古屋工業大学教授。工学博士
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