内容説明
田園都市の理念が、一九世紀末のロンドンの劣悪な都市環境に対する批判から生まれたことは確かであろう。そして具体的な都市イメージには中世の都市のスケールが参照されていることも事実であろう。しかもその源にはラスキン、モリス、そして米国のベラミーらが抱いたユートピアのイメージが横たわっている。日本においては、すでに明治時代に内務省の有志によってこの田園都市の理念が本格的に紹介されているし、欧米においてもこれを応用する都市づくりの試みがなされた。本書は、このような田園都市の歴史を幅広く捉えたものである。
目次
第1章 田園都市の背景
第2章 エベネザー・ハワードの生涯
第3章 『明日の田園都市』
第4章 イギリス都市計画への展開
第5章 諸外国への影響
第6章 日本への影響
第7章 田園都市の未来
著者等紹介
東秀紀[アズマヒデキ]
1951(昭和26)年和歌山県生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。ロンドン大学建築・計画学部都市計画学科大学院修了。作家。英国王立都市計画家協会正会員。(財)広域関東圏産業活性化センター・プロジェクト開発部部長。1996年「鹿鳴館の肖像」により『歴史文学賞』、2000年「建築・都市計画をテーマとした小説等の執筆活動」により『日本建築学会文化賞』を受賞
風見正三[カザミショウゾウ]
1960(昭和35)年茨城県生まれ。日本大学大学院理工学研究科修了。ロンドン大学政治経済大学院(都市地域計画学科)、同大学経営大学院修了。現在大成建設株式会社設計本部勤務。環境デザイングループ・シニアプランナー。技術士(都市及び地方計画)、環境カウンセラー
橘裕子[タチバナヒロコ]
栃木県生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科修了(都市計画専修)。埼玉県住宅管理課、NIRA(総合研究開発機構)研究企画部、建築指導課、都市整備課などを経て現在、埼玉県総合政策部計画調整課勤務
村上暁信[ムラカミアキノブ]
1971(昭和46)年神奈川県生まれ。東京大学農学部卒業。東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程・博士課程修了。農学博士。東京大学大学院新領域創成科学研究科助手。現在、フルブライト財団留学制度により、ハーバード大学デザイン学部大学院環境計画コース在学中
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