内容説明
京に田舎あり、感動拠点的風景、水道塔のダンディズム、清澄幻景、街角のヴィクトリアーナ、東京の偽原始、隣り合う異界、橋の郷愁、歩道の上の墓場、生きている十円玉…。転変極まりない東京にあって今もなおほのかに通う都市の息づかい。都市観察の極意ここにあり。林望のフォトエッセイ。
目次
序 都市観察要領
1 歴史の中に宿る無名性
2 ヴィクトリアーナの末裔たち
3 怪人二十面相のアジト
4 生きているパノラマ幻想
5 ロストワールドからの挨拶
6 つわものどもが夢の跡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
15
ページをめくるのが止まらない、でも読み終えるのがもったいないくらい面白い、お散歩エッセイ。「B級モノ」とか「廃墟」的なモノが好きな人ならば、必ずやこの面白さを共感してもらえるだろう。目線を変えれば、東京のど真ん中にも、時代から取り残された遺物がまだまだあるんだなぁ。2014/03/09
luna
1
てくてく東京を歩き回りたくなる本。写真がなかなか魅了的。知らないことがたくさんある世の中が一番面白いんだよね!2013/11/30
朝吹龍一朗
0
「都市観察要領」という仰々しい、中身のない序文に続いて、90年代半ばにすでに失われつつあった懐かしい風景が著者の手によるやや素人っぽい写真(自分で言っている)と手だれの文章から伝わってくる。出版からさらに15年余。このうちいくつが現存しているのだろうか。歩いてみたい気にさせる本。2010/04/04