放哉の本を読まずに孤独

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放哉の本を読まずに孤独

  • せきしろ【著】
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  • サイズ 46判/ページ数 192p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784394990116
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報



せきしろ[セキシロ]
著・文・その他

内容説明

妄想文学の鬼才が孤高の俳人・尾崎放哉の自由律俳句から着想を得た散文と俳句。あるひとつの俳句から生まれる新しい物語―。

目次

はじめに 咳をしても一人
雨の傘たてかけておみくぢをひく
たつた一人になり切つて夕空
昼寝起きればつかれた物のかげばかり
氷店がひよいと出来て白波
ほのかなる草花の香ひを嗅ぎ出さうとする
小さい時の自分が居つた写真を突き出される
人をそしる心をすて豆の皮むく
寒さころがる落葉が水ぎわでとまつた
今朝の夢を忘れて草むしりをして居た〔ほか〕

著者等紹介

せきしろ[セキシロ]
作家、俳人。1970年、北海道生まれ。A型。北海道北見北斗高校卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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かんらんしゃ🎡

42
★放哉の句に照応して散文が続く。 「雨の傘たてかけておみくぢをひく」町中華のTVチャンネルを自由に変えたいとせきしろ氏。初詣での貴重な一票をそんなことに使う。賽銭箱の後ろでは神社の人が賽銭を抜きだして、なんだかその人に向かってお願いしてるみたいだったと、氏はいつものように見過ごしてしまう出来事を文字に起こして気持ちの薄皮を剥いでいく。★氏子総代の私も拝殿のモップ掛けしてる時にお参りする人がみえる。私は気を遣いそっと端による。2023/05/20

このみ

7
又吉直樹さんとの共著やBSよしもと「又吉・せきしろのなにもしない散歩」での緩い感じがたまらないせきしろさん。「尾崎放哉の自由律俳句五十句から発想し生まれた孤独を救う五〇編の散文と、六五句の自由律俳句」丁寧に作られた本で、撮影者せきしろさんの眼である写真と、絶妙なゆるさの文章がいい。曇天の空を見上げ、置き忘れられた物を見つめ、友人を思う。「人をそしる心をすて豆の皮むく」からは「その余裕はあっという間に消え」と書き、「ほのかなる草花の香ひを嗅ぎ出さうとする」からは「私ももうすぐ仲間入りする自信がある」と書く。2024/02/22

MOTO

7
雨の主張は激しくて、家の中にいても「降ってきた」事がすぐわかる。今、何気なく窓の外を見て驚いたのだが、雪は静かに降り、人知れず景色を変えている。(雪は放哉の俳句のみたい。)「咳をしても一人」「たつたひとりになりきって夕空」「こんな良い月をひとりでみて寝る」そっとした孤独がいつのまにか降り積もっている様な。せきしろさんが彼の句にインスピレーションを受けて書いた散文と自由律俳句集。圧倒的すぎる孤独がどこにも無かった言葉を発掘しはじめた。本当の意味でのファンタジーにも思えた。2023/01/24

茶太郎

4
自由律俳句せきしろさんが、尾崎放哉の句に触発されたエッセイ。クスッと笑えるものあり、しんみりするものあり。独特の視点が面白いです。2024/02/29

2
自由律俳句であっても心地よいリズムを感じる。2022/10/19

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