出版社内容情報
未定
内容説明
「八つ墓村」事件を解決した金田一耕助は、岡山県警の磯川警部から駅前のマーケットで起きた奇妙な事件の話を聞く。殺人容疑者の女が腐乱死体で発見され、現場には石膏のデス・マスクが残されていたというのだ。やがて舞台を東京に移した「死仮面」事件の謎に、金田一耕助が挑む!初文庫化短篇「黄金の花びら」併録。さらに著者直筆の訂正が入った草稿を写真版で特別収録した決定版!
著者等紹介
横溝正史[ヨコミゾセイシ]
1902(明治35)~1981(昭和56)年。本名・正史(まさし)。神戸市生まれ。大阪薬学専門学校卒。1921(大正10)年、「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。26年に江戸川乱歩の勧めで上京し博文館に入社。32年から作家専業となる。疎開先の岡山県で終戦を迎え、48年には『本陣殺人事件』で第一回探偵作家クラブ賞を受賞。71年から旧作が角川文庫に収録されると国民的横溝ブームが巻き起こり、それを承けて最晩年まで新作を発表し続けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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geshi
30
『死仮面』導入の独白文の怪しさでグッと掴まれ、中盤は女学校を舞台に跛の怪人や車椅子の妖婆などが躍動する探偵小説らしい展開になだれ込む。陰惨な事件のなか女学生が賢く爽やか。犯人の行動にやりすぎ感は感じるし、十八番のトリックにいったなとは思うが、強力な先入観を植え付けるストーリーテラーとしての巧みさがトリックの一助となっている。特別収録の草稿の加筆の執拗さに横溝を感じる。『黄金の花びら』少年向けらしく少年が勇気を持って行動しピンチに陥り名探偵がそれを助けるパターン。図があるのが横溝っぽくないトリック。2024/12/21
まさ☆( ^ω^ )♬
14
幻の連載第4回の章を初出誌から収録した入手困難のオリジナル版。という事ですが、角川文庫版を読んだ事がないので読み比べをしてみたい。純粋に面白かった。戦後すぐの混乱期が舞台、混沌とした世相が反映しているかの様な陰惨な事件に金田一耕助が挑む。金田一シリーズを読み出すと続けて読みたくなる。Kindle版で買い揃えてはいるが、このシリーズはどうしても紙で読みたい。少しずつ買い直しながら文庫シリーズを買い揃えて行きたいと思います。2024/10/13
Oh!やまびこ
13
オリジナル版の出版と聞き、その時にハテナが生じたが理由を知り得心する。早速、書店へと足を運び購入(文庫も結構な価格!)。同タイトルの古谷一行演ずる金田一耕助シリーズTVドラマを観た記憶があり、ドラマ場面を思い出しながら本を読み進める事が出来た(ドラマはかなりアレンジされてる)。面白くワクワクしながら読めた。江戸川乱歩氏の少年探偵団シリーズを読んでいる感じに似ている。角川版、春陽の新装版(絶版本にて中古本市場では高値が着いているらしい)と読み比べてみたくなってくる。「黄金の花びら」が本書には併録されている。2024/10/16
marty@もぶおん学
11
『八つ墓村』と『犬神家の一族』の間に挟まれ、横溝正史自身の自己評価も低かったため単行本化も遅れ、日の目を見ることのなかった作品だが、冒頭こそ陰惨な描写で始まるものの、それさえも後のトリックの伏線となっており無意味な猟奇趣味ではないし、事件解明時の読後感も悪くないので、同時期に発表された有名作品と比べても、決して水準の低いミステリではない。角川文庫版で読んだのはさほど昔のことではないが、春陽文庫版で再読して改めてこのように感じた。オリジナル原稿に差し替えられた箇所を、春陽版と角川版で丹念に読み比べたい。2024/10/13
Naoki Kusue
8
本作品の存在は知りませんでしたが、オリジナル版が発売されると知り、購入。 正直、いま一つな感じです。 家族間のドロドロした様子は、著者の得意とする所ですが、田舎っぽいところがなかったのが、少々残念です。2024/11/15