出版社内容情報
未定
【目次】
未定
内容説明
名前のみが伝えられ、どんな色なのか分からないという幻の色〈エレファンツ・ブレス〉―。空き地に棄てられていた一本の角を持った自転車。空の上で三人称の物語を司る〈朗読鼠〉のささやかな冒険。母親が書いた小説に登場する「彼女」とわたし―。序章のみで構成された四つの物語による連作短篇集。
著者等紹介
吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京都生まれ。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による創作とデザインの仕事を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
89
久しぶりに吉田さんの本を手に取りました。この本を含めて4冊春陽堂から出版されていて吉田さんはペーパーバックと読んでいます。なぜかというと装幀や栞などすべて吉田さんの思いが入ってクラフト・エヴィング商會が担当されています。最近岩波書店から出された吉田さんの本とも通じるところがあります。内容は以前ちくま文庫で読んだ「百鼠」に手を入れたものです。いつもながら不思議な感じを与えてくれます。2026/03/14
シナモン
86
序章のみで構成された四つの物語による連作短篇集。「圏内」と「圏外」の間に張りめぐらされたロープを「命綱」と考えるか、「束縛」と見るか。「圏外」の発見がテーマの「エレファンツ・プレス綺譚」が良かった。「圏内」にいれば安心かもしれないが、常に頭は落ち着かない。「圏外」に出たときのどことも繋がらない静けさ、穏やかさ。そんな時間を大切にしたいと思った。ここから発展して書かれた「圏外へ」。未読なのでこちらも読んでみよう。 2026/08/13
Ikutan
61
吉田篤弘ペーパーバック第四弾。今回は四つの短編。詩集の作者が装幀に希望した色は『象の息』を表す〈エレファンツ・ブレス〉。どんな色か分からないこの色を探し求める主人公を描いた『エレファンツ・ブレス綺譚』。空き地に棄てられていた一本の角がある自転車。この自転車を拾った主人公が"水面下"について考える『一角獣』。『百鼠』は、空の上で三人称の物語を司る"朗読鼠"のささやかな冒険話。母親が書いた小説に自分の分身が登場することへのわだかまりを描いた『到来』。どの物語もちょっと哲学的な吉田さんワールド全開のお話でした。2026/03/03
なつくさ
28
吉田さんの物語はなにか引っかかる。するりと読めるのにそこに何かあるのだと手を伸ばす。たまに迷子になるけれど、それでもいいかなと思わせてくれる。物語の1章目を集めた短編集。自分の心とかいて息。自分の中の水面にそっと息をふきかける。水面下はぼやぼやと揺れて心がふっと緩んだ。2026/05/10
あんこ
23
ここ数年、吉田さんが怒涛の勢いで新刊や復刻版を出すので嬉しい一方積読が増えていた。 初めて読んだ時、『百鼠』にどうしようもなく惹かれていたことを思い出した。第一章のみで構成されている元々の三つのお話に加え、今回新たに未発表の『エレファンツ・ブレス綺譚』を読めて嬉しく思う。 懐かしの『圏外へ』っぽいなあと思っていたところ、あとがきを読んだら『エレファンツ〜』から発展したと知り、長く読み続けるものだなと思った。2026/03/29




