出版社内容情報
オウンドメディアで(2023年6月~2024年6月)連載したものに加筆修正して単行本化したものです。
前代未聞の探偵小説。
誰かが命を落とす前にその事件の謎を解く…
名探偵・除夜一郎の事件簿!
今までにはなかった探偵小説。これこそ唯一無二の吉田篤弘ワールドです。
内容説明
そのひとは、謎めいた書物の頁の中から現れた。“希望の塔”が聳えるいにしえの街を舞台に、今宵、十字路の探偵、除夜の冒険が開幕する。
著者等紹介
吉田篤弘[ヨシダアツヒロ]
1962年東京生まれ。小説を執筆するかたわら、クラフト・エヴィング商會名義による著作と装幀の仕事を手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
109
「もう誰も死なせない。事件が起きる前に事件を解く」そう宣言した探偵、除夜一郎。相棒は本の中から飛び出したミサキ。幻想と現実が交差する不思議な読み心地。物騒な場面もあるのに…何なんだ、この静けさは😳吉田篤弘ワールドを堪能できました。 2024/09/11
けんとまん1007
91
吉田篤弘さんの世界・空間が、とても心地よい。いい意味で抑制された表現が、かえって深みを増すように思っている。探偵という役目って、そうなのか・・と思った。事件という2文字の意味も、なるほどなあ~。最後に、タイトルでも十字路の意味がわかり、まさに人が人としてあること、人として成り立っていることの根源の一つだなと腑に落ちた。2024/10/29
Ikutan
75
塔のある街で連続して起きている「謎の死」。遺体のどこかにアルファベットが一文字刻まれているという共通点が。探偵の除夜は『もう、誰ひとり死なせない』と誓うが..。えっ!今回の吉田さんはミステリ? この謎が気になり読み進めるが、内容は何時もの吉田さんワールド。時計屋、遮光眼鏡、蠟石..異世界に迷い込んだ様な味のある言葉たち。今回は、各章ごと、冒頭に言葉の解釈もある面白い構成です。お洒落な装丁に、何時もながら洗練された文章。謎解きをしながらも、どっぷり物語の世界に浸かりました。この世界観大好き。続編希望です。 2024/11/05
aoringo
73
街を見下ろす大きな塔がシンボルである、十字路の多い街。そこは時計屋があって古本屋があって、喫茶店、バーなどが連なる平凡な街。人が死ぬ前に事件を解決するという名探偵と、本の中から出てきた謎の助手が事件を追いかける。吉田篤弘さんが探偵小説?!と思ったけど、穏やかで静かで、心地良い読書の時間を味わえた。絶望を知っているからこそ希望を見出すことができるというラストシーンが良かった。2025/05/09
猿吉君
63
良くも悪くも非常にライトテイストな作品、全体を通してちょっと幻想的な雰囲気でした。①事件が起こる前に解決するというネタは面白かったです。②連作短編集ですが最後に大きな謎が明かされます、なる程とは思いましたがそこも軽い(笑)点数70/100→正直なところ軽さが私には合いませんでしたが作品が悪い訳ではないです。セレクトミスでした。2024/11/28
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