出版社内容情報
ごぞんじ銭形平次と八五郎の捕物・名コンビ
盗まれた恋文を取り返すため、西へと向かうが……。
東海道を追いつ追われつ
三本の恋文争奪戦!
これまでほとんど文庫化されなかった二篇を収録。
内容説明
御存じ銭形平次と八五郎の捕物名コンビ、意外や舞台は東海道中―。さる大名家の奥方がかつて送った恋文を、盗んだ側室方から取り返してほしいとの依頼に、旅装束で西へと向かう二人。しかし旅が進むにつれ謎が謎を呼び…表題作「恋文道中記」。正月早々、平次の元に相談に来た太鼓持ちの駒吉。聞けば質屋の新介に借金の抵当として自慢の娘を取られてしまうという。そして数日後、新介は不審な死体となって見つかった…「八五郎女難」。ストーリーとトリックが複雑で読み応えがある長編シリーズから、これまでほとんど文庫化されなかった二篇を収録。
著者等紹介
野村胡堂[ノムラコドウ]
明治15年(1882年)岩手県に生まれる。東京帝国大学に入学するが、学費が続かず、退学。新聞社に入社し要職を歴任する。1931年「文藝春秋オール讀物号」創刊号に銭形平次を主人公にした捕物帳を執筆。これが第一作となり、以後二十六年間、長編・短編併せて三百八十三編の銭形平次捕物帳を書いた。また「あらえびす」という筆名で音楽評論をしていたことは有名である。昭和38年(1963年)死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ほげっひ
1
分量的には長編と中編が一編ずつ、という感じでしょうか。「恋文道中記」と「八五郎女難」の二作。覚え書きによると、最後に収録されたのがそれぞれ昭和46年と昭和31年なので、どちらも久々に読者の目に触れた作品。八五郎ファンとしては平次と一緒にニヤニヤしながら女難編を読みましたが、やらかしつつも何だか憎めないのは相変わらずで、平次とのやり取りも相変わらずで、つまり今回もやっぱり楽しく読めました。表題作は切ない幕切れではあったけども、平次の推理と周辺のきな臭い面々との鍔迫り合いが読み応えありました。読めて幸せ感謝。2024/04/19