出版社内容情報
「これからの永倉新八の暴れ方を見ていろよ」新選組最強の剣士を描く表題作のほか、「黒雲峠」「抜討ち半九郎」「さいころ蟲」「清水一学」など池波正太郎の初期傑作短編集!
内容説明
神道無念流の剣士として近藤勇道場の食客となり新選組結成に参加した永倉新八の血なまぐさい日々を描く表題作、気の進まない仇討ちを藩主から厳命された奥用人の息子と、助太刀に選ばれた藩士たちの旅路の意外な結末を描く「黒雲峠」、元盗賊の男が老齢にさしかかり自身の運命を狂わせた十四年前の惨劇を振り返る「抜討ち半九郎」、ひょんなことから山の湯宿に長逗留をした二人の旅人が、七千両を強奪した盗賊団が迫ることを知り意外な行動に出る「さいころ蟲」など、池波正太郎の多彩な魅力にあふれる初期傑作短編集。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
大正12年(1923年)東京・浅草に生まれる。昭和20年鳥取の美保航空基地で終戦を迎える。二十五歳の時、作家長谷川伸に師事し、脚本家になることを決意。三十七歳、「錯乱」で第四十三回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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minibear
1
直木賞作家池波正太郎氏の初期の傑作短編集を読了。久々に氏の作品を手に取りましたが、間違いなかった。表題作を筆頭にそれぞれの短編における主人公が生き生きと描かれ、手が止まりません。清水一学が良いですね。2025/09/05
シーラ
0
維新後まで生存した永倉新八。彼の竜尾の剣と呼ばれた必殺技。藤堂平助との確執、維新後の鈴木三樹三郎との邂逅や娘磯子との再会など、彼の人間らしさが好ましい。彼が長寿を保ったお陰で、新選組顛末記が記され、新選組が再評価されたんだよなぁ。その他敵討ちや渡世人の戦い等、血生臭くも切ない男たちのお話。池波さんらしい描き方です。2024/04/20