内容説明
自選句集『草木塔』を中心に、その背景、表現方法など創作の軌跡を解説。放浪の俳人・種田山頭火の魅力に迫る!
目次
漂泊流転
再びの行乞
雑草の其中庵
旅と草庵
銃後の市井人
終焉の松山
出家以前
著者等紹介
村上護[ムラカミマモル]
昭和16年(1941)、愛媛県大洲市生まれ。作家、評論家。評伝『放浪の俳人山頭火』がベストセラーとなり、のちに坂口安吾、中原中也、尾崎放哉などの人物伝を出版。“種田山頭火”研究の第一人者として評伝、評釈など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かふ
16
山頭火と尾崎放哉の違いは、放哉は自己肯定の自由律なら、山頭火は自己否定の自由律なのだ。それは父の放蕩の血縁と母の自殺に絶えず煩悩は断ち切れていなかった。母の四十七回忌の句。「うどん供えて、母よ、わたくしもいただきまする」句読点は合掌だという。山頭火の特徴としてはリフレインは歩くリズムだという。煩悩を自然に合わせるための行乞は煩悩の断ち切れなさを表している。「分け入っても分け入っても青い山」は最初の「分け入っても」は煩悩を断ち切るための行乞だが、後の「分け入っても」煩悩の断ち切れなさ。そこに自然の山がある。2023/06/05
Kuliyama
0
山頭火の句をまとまって読むのは始めてて、内容の強烈さと形式の自由さに驚きました。世が世ならコピーライターとして活躍されたのではと思いました。2021/04/09