内容説明
息苦しい現在、吐き気がする時代状況、政治と権力を嘲笑う、黒いユーモアにあふれた川柳、いま読むとグッとくる川柳を過去現在を問わず、拾い集め、“ムカツキ”をぶ・ち・ま・け・る。
目次
はじめに 川柳は美辞麗句を嗤う(「うどん屋に日本終了ですの札」;「日本を、取り戻す」と「日本終了です」 ほか)
1 川柳は乱調にあり(「原発で手足ちぎられ酪農家」;「詠む」と「吐く」 ほか)
2 川柳・原発・落書き(原発標語に覆い尽くされた街;原発は社会から異論や反対を駆逐する ほか)
3 川柳は検定教育を嗤う(「勇の字をマ男と読む尋常科」;川柳は教室と教育の欺瞞をぶち壊す ほか)
4 川柳はプレカリアートの詩(「蟹工船」ブームから六年;二〇〇八年、冬の路上から ほか)
著者等紹介
楜沢健[クルミサワケン]
1966年東京生まれ。文芸評論家。早稲田大学ほか非常勤講師。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。プロレタリア文学を研究の中心テーマ、座標軸のひとつに据えユニークな文芸評論を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ハチアカデミー
8
「放射能漏れてカタカナ溢れ出す」(満風)「危険だと言えない町で子を育て」(笑い茸)「水清き桜の国の汚染地図」(わかち愛)。「プレカリアートの詩」として川柳を見つめ直し、戦前の日本に蔓延した虚偽と現在を繋ぎ合わせた一冊。「2+2は5である事も有のです」ということを社会が教えなくなり、あろうことか「ない」と、さらに嘘を固めて断言する社会の中に絶望する前に、苦しくとも言葉を「吐く」ことが必要なのだ。川柳は、制約の少ない身近な短詩型文学である。だからこそ、時事にすぐさま反応し、創作することができる。だから吐け!2014/07/31
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