内容説明
法医学者の宗像隆一郎は、明智小五郎と並ぶ名探偵としても知られていた。復讐のために一家の命を奪うという脅迫状が届いた実業家の川手庄太郎は、宗像博士に相談する。宗像は捜査に乗り出すが、助手の木島が毒殺されてしまう。川手邸では娘たちが消息を絶ち、殺人者のさらなる魔手が迫ってきて…。現場に残された特殊な三重渦状紋の指紋、また一家に隠されてきた秘密とは?明智も加わり犯人の謎に挑んでいく。ほか「モノグラム」収録。
著者等紹介
江戸川乱歩[エドガワランポ]
1894‐1965。明治27年10月21日三重県に生まれる。早稲田大学で経済学を学びながらポーやドイルを読む。様々な職業を経験した後、大正12年、雑誌「新青年」に「二銭銅貨」でデビュー。昭和22年、探偵作家クラブ結成、初代会長に就任。昭和29年、乱歩賞を制定。昭和32年から雑誌「宝石」の編集に携わる。昭和38年、日本推理作家協会が認可され理事長に就任。昭和40年7月28日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白いカラス
2
明智探偵はいつ登場するのかヤキモキさせられました。いかにも乱歩作品らしい怨念を感じさせる作品でしたね。2024/11/16
under
2
ここまでこのシリーズを読み進めると、似たような展開やトリックのものが多くなり流石に飽き飽きしてくる。「三重の指紋」の不気味さを逆手に取ったトリックだけは面白い。まぁ犯人は予想通り。2022/08/19
ひつ
1
同じようなトリックがあったので、犯人はすぐに分かったけどそれでもどんどん読み見進めたくなるワクワクさがある。2024/04/23
コマンドー者
1
乱歩の通俗探偵もの長編。最初の数ページ読むと犯人がモロバレ状態で、以降、この人が犯人だと思って読んでいると、不可能犯罪が全て自作自演状態で、全く不思議でもなくなるという乱歩らしいポンコツぶりが逆に楽しい。全く読者の予想通りの真相が明かされる。2019/11/24
アオノ
1
ポプラ社版のタイトルは『呪いの指紋』。純真な子供の頃は、コレとか蜘蛛男とか緑衣の鬼をワクワクしながら読んだものですが、こうして読み返してみると、どれも似たような感じですね。穴も多く、犯人の目星もスグについてしまいますし。でも、少年の心を躍らせた片鱗は随所に垣間見えます。川手氏が生埋めにされていくくだりなんかは、やはりゾーッとしましたもの。続いて緑衣の鬼を読み返そうと棚の奥の方から数十年ぶりに引っ張り出したら、本が異様に臭くなってて辟易してます。これも買い直すか…2019/09/15