感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いたろう
54
表題作他2編。表題作は、戦時中の1943〜44年に書かれた作品。画期的な新兵器の開発、その情報を狙うアメリカのスパイとの攻防という、時節柄の作品で、今読むと何だかなあというところも。雑誌連載後、単行本化されることがないまま、ようやく全集に収録されたのが、「戦争を知らない子供たち」が出た1970年、あの戦争を昔の話として語れるようになってから。「敵国」アメリカとの戦争の話はともかく、一連のスパイ事件の真相、黒幕の謎解きなどは、戦意高揚ものの体を取りつつ、乱歩が、何とか探偵小説らしくしようと努力したと思える。2025/03/23
コブタ
3
表題作は戦時中に書かれた戦意高揚物の体を成している。ペリー提督からの繋がりとは驚いた。表題作を読んだ後だけに他の短編2篇は乱歩先生!と思わされた。2025/04/01
under
3
乱歩らしく短編の『断崖』は、トリックと犯人が二転三転して面白い。一方で表題作の『偉大なる夢』は出来の悪いスパイ小説のようなもので凡庸だった。2022/06/19
ひつ
1
戦時中に描かれたため今とは価値観がかなり異なるスパイ小説だけど、内容としては乱歩らしい探偵小説かなと思った。2024/04/25
シルク
1
戦時中の軍が舞台なので、乱歩の中では異色な作品。でも、トリックや犯罪の背景は他の作品とよく似ていた。2021/08/02