内容説明
Sビルディングの窓下の路上に、死骸となって横たわっていた西村電機商会主の西村陽吉の死因は何か。自殺か他殺か。他殺とすれば犯人は何者か…。共犯者の有無は…。犯人当て懸賞小説として『新青年』の大正十五年五月号から十月号まで、半歳に亙って好評裡に連載された合作探偵小説「五階の窓」は発端が江戸川乱歩の筆に始まり、平林初之輔・森下雨村・甲賀三郎・国枝史郎と進み、そして終局は小酒井不木の筆をもって解決する。殺人の動機と事件の経過は…。捜査の進展とともに続出する容疑者たちに、いまや事件は迷宮に入ろうとしている。はたして読者諸賢は賞金を狙えるか…。わが国探偵文壇黄金期に企てられた新機軸の試みを甦らせた合作探偵小説第一弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スノコ
2
雑誌に掲載された当時の(おそらく)人気作家の6人によるリレー連作とのこと。初読みの方もいるがそれぞれ作風が違い、あうあわないがあって面白い。一話ごとに思わぬ方向へ話が進み、まさかの平和な結末を迎えた。ある程度あらすじやラストは決まっていたのか、都度作者が考えていたのかとても気になるところ。決まっていなかったのなら6話目の小酒井氏はよくぞ解決させたと感服するレベル。青空文庫で一話ずつ読んだのだけど一話目の末尾でネタバレしていたのが不満。 2024/04/05
渋谷英男
1
歴史的価値で☆22019/11/24