内容説明
ひょうたん長屋の住人、若さま浪人松平鶴太郎とお供の葵小僧新助の2人は、永代橋下で女の土左衛門を見つけた。その女の白い腹部には赤々と「十」の字が血で書かれていた。般若鬼面の黒装束の一団による十九娘誘拐の奇怪な事件が江戸の町を震え上がらせていた。切支丹一味の般若鬼面党の首領、道服呪文の主と陰派一刀流の達人、松平鶴太郎とは対決することになった。怪人首領は切支丹大名の小西摂津守行長の元家老寺沢刑部であった。そして、一千石の旗本滝脇松平家の嫡男鶴太郎の母は、小西行長の息女琴姫であった。清朝の黄金大判百万両の秘宝の在処の謎を秘めた金蒔絵の印籠“蛟竜(こうりゅう)”と“〓竜(きゅうりゅう)”の争奪をめぐって、若さま浪人鶴太郎・由井正雪の娘ゆう・女盗朱桜お葉らが卍巴と争う…。