出版社内容情報
よく聴くことでもっとピアノが楽しくなる。レッスン現場を取材し、音楽表現で大切な“聴く力”を養うポイントを具体的にアドバイス。
内容説明
毎日一生懸命弾いているのになかなか上達が実感できない…どうしてなの?第一線で活躍するピアニストや教育者たちにインタビューし、レッスン指導の現場を取材して得られた貴重な経験談と情報…自らの体験もふくめて“聴く力”を養うポイントをアドバイス。
目次
第1章 なぜ、聴く力が大事なのか
第2章 聴く力が読譜を豊かにする
第3章 聴くことは歌うこと
第4章 耳から音符をとらえる
第5章 ソルフェージュと「聴く力」
第6章 ニュアンスをつくるもの
第7章 「わかる」と「聴ける」
第8章 相互作用
第9章 アンサンブル体験で耳を開く
著者等紹介
山本美芽[ヤマモトミメ]
音楽・ノンフィクションライター、ピアノ教本研究家。1971年、埼玉県生まれ。東京学芸大学卒業、同大学院教育学研究科修了。音楽教育を専攻。埼玉県の公立中学校教諭(音楽)、養護学校教諭を経て、1997年より執筆活動を始める。ピアノ・レッスン、音楽教育、ジャズ・フュージョンについて、音楽雑誌に寄稿。2006年からアメリカ・カリフォルニア州に在住。州立シエラカレッジにて単位取得。2010年に帰国、執筆活動を再開する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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myoko
5
自分の音を聴いていないと先生から言われたわが娘。彼女は注意されたことをなかなか直せないことが多い。本書を読んですっきり。きっと、わが娘は音のイメージができていないのだろう。言葉で理解できないのだから音楽で理解すればいいという発想に肩の荷が下りた感じがしました。それにしても、日本のクラシック界はどうしてこうも楽譜偏重主義なのか?個性とは知識や経験の蓄積のもとに出てくるものだと思う。ゆえに小さいうちはたくさん聴かなければイメージなどできるわけも無い。それは音楽に限ったことではないと思うのだが・・・。2013/08/08
のがまま
3
自分の音を聴くことの大事さはわかっていても、なかなか簡単ではない。 明快なアプローチが記載されている部分とそうでない部分が入り混じってはいたけれど、自分なりに考えて音を聴いて行くには、いい感じの手引きになったかな。2016/02/25
ひよこ
2
この本を読んで、自分の音を聞けていなかったことを痛感しました。普段は弾けているのに本番になるとど忘れしてしまうことがあるのですが、それは私が一番目立つ音しか聞いていなくて内声部の音が聞けていなかったからだとわかりました。レッスンでも先生に片手ずつ練習しなさいと言われたのですが、理由がわかりました。片手ずつ歌いながら弾いてみると頭にも残るし、両手で弾いた時にいつもより意識して聞けた気がします。室内楽の話では、私も小中学校では合唱の伴奏、高校では管楽器や歌の伴奏をしていますが、息を吸うところでふっと緩めたり、2015/07/22
寿里子
2
頭の中で音をイメージすることはだれでもできていると思ったが、自分が楽器を教える様になりできない人もいるらしいということを知った。楽器を演奏する人は自分の音、演奏を第三者的に客観的に聞く努力はしていかねばいけないといつも思うのだがむずかしい。2014/02/11
totssan
1
自分の音を聴く、聴けるようになることが、絶対音感を持つことよりもずっと重要であると説く。その通りなのだろう。とにかく聴いていない・・。電子ピアノでヘッドホンして音を出してたら、ちゃんとした音を把握することはできんわなあ、と理解。定期的にほんまもんを触り、音や響きを確かめる、さらに録音してイメージとの一致をはかる、という作業が必要になる。趣味とはいえそれくらいやってもいいか、と思うに至る。2022/09/11