内容説明
ピティナ・ピアノコンペティションソロ部門特級グランプリの偉業。数々のオーケストラとの共演、CD録音、ソロリサイタル…。中学・高校の数学教師を本職にしながら、疾走し続ける異色のピアニスト。怪我による挫折、仕事との両立に苦しみ、編み出した独自のメソッドとは…。
目次
第1章 グランプリまでの道のり
第2章 曲を仕上げる手順
第3章 曲のスタイルは3種類
第4章 陥りやすい罠
第5章 弾けないときの処方箋
第6章 練習の常識・非常識
第7章 ピアノから広がる世界
著者等紹介
金子一朗[カネコイチロウ]
東京都生まれ。早稲田大学理工学部数学科卒。早稲田中・高等学校数学科教諭。社団法人全日本ピアノ指導者協会(略称ピティナ)評議員。ピアノを角聖子、神野明、北川暁子、K.H.ケンマーリンク、森知英、秋山徹也、田部京子に、音楽理論を中村初穂に師事。2005年、ピティナ・ピアノコンペティションソロ部門特級でグランプリ(金賞)および聴衆賞、ミキモト賞、王子賞、日フィル賞、文部科学大臣賞、読売新聞社賞、審査員基金海外派遣費用補助を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カキ@persicape
11
数学教師をしながら独学で賞を取った方の著書。貪欲にしがみつくピアノが好き過ぎる姿勢が必要だと思い知る。こんな風に楽譜を深く読み解けるなんて羨ましく、その域でない私は損してる。いきなり弾いて指で覚え社会人になって暗譜に苦しみ始めた作曲家の好き嫌いありなので耳痛い。一方で先生は噛み砕いて音楽理論を指導してくれてたんだと感じられて嬉しかった。そして驚愕のオチ。読んでる最中発表会のリハーサルがあって演奏者知らずに半年前から参考にしてるYouTubeの音源を聴いていた。ふとみるとなんと著者の演奏だった∑(゚Д゚)2017/03/10
Sachi
7
時間のない社会人の練習の仕方の勉強になりました。ピアノを弾く時と、楽譜の研究をする時間を分けた方が効率も良いし、暗譜の助けにもなる。楽譜も見ず指も動かさずに頭の中で演奏するのはとても良い練習になる。ひたすら反復練習で運動として覚えてしまう場合、度忘れするかもしれないし、何より楽器が変わると弾けなくなるという問題の指摘は鋭いと思いました。だから弾く時には音に集中できるための土台をしっかり作っておくことが大切だと思います。2015/01/21
寿里子
3
私はピアノ奏者ではないが、非常に面白かった。楽器奏者はぜひぜひ読むといいと思う。具体的に曲を引用して説明してある部分が、ピアノをやっていないから知らない曲だと飛ばして読みましたが、多くのことは楽器奏者には参考になると思います。 2015/09/22
OjohmbonX
2
大げさな言い方で恥ずかしいけれど、人生で音楽への認識が一気に昇華された瞬間でした。演奏家を目指していない人にも勧めたい。良い演奏家は良い聴き手であることが必要条件だという前提から書かれており、ピアノ演奏の技術以前に楽曲をいかに捉えるかが様々な面から書かれています。しかも恐ろしいのは、原理原則とその応用(数多い実例)がかなりクリアーに語られているために、読むうちに当然のことのように思えるところ。本来これらの認識に辿り着くには大変な紆余曲折と労苦が支払われるところが、たった2,300円+税なんて。恐ろしい。2011/01/13
nari
2
社会人ピアニストである著者が、限りある練習時間の中でいかに効率よく曲を理解し暗譜しマスターしていくかをとても論理的に述べたピアノ演奏方法論。楽曲分析部分は専門用語が多くて難解なんだけど、現在ピアノを学んでいる身には参考になるところも多々。もちろん、理論がわかっても弾けるようになるわけじゃないけど。2009/12/16
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