出版社内容情報
ジョルジュ・サンド,リスト,バルザック,ミツケヴィチ,ドラクロワらとの交流を活写しつつ,十九世紀前半,革命時代のパリに生きたショパンの創造の軌跡を綿密にたどる。
内容説明
1831年、若き芸術家が華やかな国際都市パリにやってきた。折しも、七月革命直後…。時代の要請に与しつつ、やがて、新しい音楽を志向し、脱皮してゆく革新者フレデリク・ショパンの常に前向きの姿。リスト、ジョルジュ・サンド、バルザック、ドラクロワ、ハイネ、ミツケヴィチらとの交流を背景に描く音楽創造の文化史。
目次
自由を求めて
花開く音楽界
ピアニストの饗宴
中産階級と音楽
パリ 若者の夢
変貌する都市
創造のベクトル
友情と淡い恋
創造の同伴者
作曲家としての道
創造精神の協働
革命の季節、再び
著者等紹介
河合貞子[カワイテイコ]
1953年、北海道生まれ。1976年、同志社大学文学部(美学・芸術学専攻)卒業
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
375
1831年、ショパンはウィーンを経て、7月革命後のパリにやって来た。時にショパン21歳。それから39歳で亡くなるまでの日々を彼は基本的にはパリで過ごした(その間にマヨルカ島やノアンでのジョルジュ・サンドと暮らした期間はあったが)。1830年代~40年代の都市パリがショパンに及ぼした影響は確かに大きかっただろう。その環境でしかあれらの音楽は生まれなかったかもしれない。パリの、とりわけサロンの文化とはとりわけ密接な関係があった。著者の河合貞子氏は美学者のようだが、その観点からもっと語ってほしかったように思う。2021/12/20